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2008年07月 過去の記事

2008年07月06日

サミット、バーナンキ議長、ポールソン長官証言

今週の重要イベント「サミット、バーナンキ議長、ポールソン長官証言」
7月7日(月)-7月11日(金)「今週の戦略」

今週の私の戦略「黒字減少でドル円底堅い」
予想レンジ(ドル円105-108、ユーロ円166-169)

1.今週のマーケット「貿易黒字減少中、6月上旬は赤字」

 洞爺湖サミット、バーナンキ議長講演、さらに同議長とポールソン財務長官の議会証言など重要な政治的イベントがある。ただどれもドル高からドルの安定化について語られることとなろう。米国のインフレ抑制、また原油高抑制は世界のどこの国も望むところである。

 それとは別に円にも需給的に今年は異変が起きている。長い目で見れば為替相場は貿易収支動向によって動く。円相場においては戦前は貿易赤字で円安、戦後は貿易黒字で円高が基調だ。もちろんその時々の資本収支(機関投資家や個人の外貨投資とその処分)で短期のアップダウンはある。日本の戦後の基調である貿易黒字と円高にやや異変が起きているというのは、今年の貿易統計で見れば、3月、4月、5月がそれぞれ前年同月比、-30.8%、-47.4%、-8.4%と減少している。1月も黒字から赤字へ、2月は増加しているが僅か0.2%である。6月は初旬のものが発表されているが2414億円の赤字で前年6月同期は5350億円の黒字であったから7764億円減少し赤字に転換している。日本の黒字神話に陰りが見えつつあるのが最近のドル円相場が意外と下落しない一番の要因だ。 

「注目指標」

7(月)独 鉱工業生産
8(火)日 景気ウォッチャー調査 米 中古住宅販売保留、バーナンキ議長講演、
9(水)日 機械受注、独 国際収支
10(木)豪 雇用統計、日 国際収支、企業物価指数、ECB月報 BOE理事会、米 失業保険、バーナンキ議長&ポールソン長官の議会証言
11(金)米 貿易収支、ミシガン大消費者信頼感指数

2.高金利特集「日経平均12日連続、貿易黒字3ヶ月連続下落」

上述の貿易黒字3ヶ月連続減少、6月上旬は赤字、また日経平均が54年ぶりに12日連続下落と明るい話はない。あれほど先行き景気楽観といっていた日銀も景気下方修正を行っている。景気減速はサブプライム問題だけが原因ではなさそうだ。

 どこの国も不況に陥っている。ただ各国政府の対策は米国が利下げと減税、ユーロはドイツでは年金給付の増額、オーストラリアやニュージーランドも財政黒字を利用して減税策を行っている。日本ではガソリン暫定税の復活、消費税増税、証券優遇税制の廃止、はたまた外貨取引に課税するなど個人消費や投資意欲を妨げるものが多い。年金は増額どころかその納付の計算さえまともに出来ない状態である。
ただ海外投資家に対しては投資減税で日本への投資を増加を図る計画があるという。先ずは日本人自身が喜ぶような規制緩和、減税を進めなければならないだろう。自国民が嫌うものに海外投資家はひきつけられないだろう。以前100以上あった東証の外国株上場も現在は20社たらずになってきたという。第二次産業の衰えは新興国の発展で仕方がないので今後は第三次産業、金融業を発展させ雇用を拡大しなければならない日本だが、現実は逆の政策がとられている。

 貿易黒字の減少をさらに日本を嫌った外貨投資増加で円安が進展することもあろう。

 
3.為替と野球「日本人はリスク好き」
 
外貨投資はサブプライム問題での株価下落の中でも増加基調だ。円高で外貨資産が目減りする中でも口座数の増加で外貨資産残高は増加している。とは言っても個人金融資産の1500兆の3.5%の50兆円程度であるのでまだまだ10%程度まで増加する余地はあろう。あと7%増加すれば約100兆円の増加で円安要因となる。

 日本人は保守的なので資産の大半は預貯金ということになっているが、時々新聞で報道される詐欺商法では結構簡単にお金が集まってしまうのには驚く。日本人はリスクが嫌いなの好きなのかわからなくなってしまう。

 円の長期金利は1%台である。それより高利回りをリスクなしで得ようとするとなんらかのリスクがある筈だ。それは各商品の変動リスク(為替、株、商品)や信用リスクだ。そのリスクを克服すれば高利回りが得られるが100%確実ではない。NZドル円でのスワップ狙いのFX投資では過去3年で倍程度に資産が増加しているが通貨によってマチマチだし永遠に続くわけでもない。世の常識より高い利回り、配当が謳われる商品についてはリスクの点検と、もし投資するなら先ずは小額で始めるべきだ。けっして老後資金を全額つぎ込むことから始めてはいけない。そういうリスクをまったく考えない商品に簡単に850億円もお金が集まるのは驚くしかない。私は結構リスク選好人間で信用度の低いジャンク債に投資しているが「エビ養殖」などはやらない。万が一やるとするならまずは現地に行って見学したり、小額で始めて財務諸表が出るのを待つだろう。

2008年07月13日

臨時ニュース= ポールソン150億ドル救済プラン

今週の重要イベント「ポールソン150億ドル救済プラン」

 米国財務省が150億ドルの資金注入を行う予定の記事があった

先週金曜日はポールソン長官がGSE救済に公的資金注入など具体策を示さなかったが、NY午後には米上院銀行住宅都市委員会のドッド委員長は、米連邦準備理事会(FRB)と財務省が、連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)について、連銀窓口貸出の利用を可能にするなど、あらゆる選択肢を検討していることを明らかにした。

 ただその後大手住宅ローン会社インディマック・バンコープが業務を停止し、米連邦預金保険公社(FDIC)の管理下に置かれたとの報道があった。フレディマックが月曜日に30億ドルの資金調達を行うこともあり市場の混乱を事前に防ごうとしたものと見られる。


「米金融機関決算と中東緊張はパニックに繋がらない」

7月14日(月)-7月18日(金)「今週の戦略」

今週の私の戦略「一目の雲の上限と107.50の間での取引」
予想レンジ(ドル円104.50-107.50、ユーロ円168-171)

1.今週のマーケット「米金融機関決算と中東緊張はパニックに繋がらない」

 米国金融機関の決算、イラン・イスラエルの軍事問題が焦点となるがどちらも昨夏のサブプライム問題と比べれば先行きが見えている。

サブプライムの問題では資金注入、破たん処理、合併、さらにはリスク管理の強化などと解決策が提示されている。戦争不安の問題は結局はどちらかが手を出せば世界中から封じ込められるので解決は早い。戦争ネタは超短期で引き上げたい。

 テクニカルではドル円は三角持合(6月30日と7月1日の安値を結んだ上昇トレンドと6月25日と7月7日の高値を結んだ下降トレンドで出来たもの)を下に抜けた。今後は下は一目均衡表の雲の上限と上は三角持合を形成していたラインの延長線(107.50近辺がポイント)との間で推移して行こう。

 4,5,6月は昨年同様月足陽線で終わったが、7月は今のところ始値116.19でありまだ微妙なところである。7月が陰線で終われば需給的に円買いが増える8月へ結びついていくだろう。昨年は7月半ばからドル円は一目均衡表の雲の中また雲の下へ突入している。その後雲の上に完全に出るのは4月半ばまで9ヶ月かかることとなった。

 需給では貿易収支は原油高の影響で黒字は昨年のペースより半減している。資本面では個人の外貨投資は着実に伸びている。シカゴIMMの円投機ポジションは昨年は5月から7月半ばまで10万枚を超える円ショートポジションが積み上がっていたが、今年は5,6万枚の円ロングが最高であって最近は殆どポジションらしきものがない。相場が大きく動かない要因ともなっている。8月の中間決算前のリパトリや外債利金の円買いも控えているが少しは覚悟をしておいても昨年ほどのパニック的な円買いにはならないだろう。

 パニックで円買いをするのも論理的でないことは既に3月からの相場推移で証明されている。円を買ってもヘッジにはならないだろう。米国のパニックなら素直に欧州通貨を買えばいいだろう。また3月17日からの日経通貨インデックスでは円が102.7から93.1へ下落、ドルは86.8から87.3へ上昇、ユーロは113.5から114.7へ上昇している。人々は冷静になれば円は買わない。去年と違うのは市場が既に米国景気悪化に身構えていること、G-7を含め世界の当局がドル安懸念を共有していることだ。

 他には日銀会合、米は物価指数と住宅着工、また9月に利下げ見通しが(今月は24日に政策決定会合)あるNZは小売売上、CPIの発表がある。 

「注目指標」

14(月)NZ小売売上、
15(火)NZ 2QCPI、日銀会合、独&ユーロ圏ZEW景況感調査、米 PPI、小売売上、NY連銀製造業景気指数、バーナンキ議長議会証言
16(水)第3次産業活動指数、ユーロ圏CPI、米 CPI、対米証券投資、鉱工業生産、設備稼働率、NAHB住宅市場指数、FOMC議事録
17(木)米 住宅着工、建設許可、失業保険、フィラデルフィア連銀景況指数、
18(金)日銀議事要旨、ユーロ圏貿易収支


2.高金利特集「トルコリラ債の募集を見て」

新聞で2、3のトルコリラ債券の募集広告を見た。金利は15%以上で高金利好きの私も興味がある。FX証拠金ではないのでレバレッジを効かせることは出来ず全額自分で手当てをしなけれなばならいが15%はやはり魅力がある。ただ期間が3年であり、もちろん金利収入が合計で45%程度あるので為替変動は相殺できるし円安に進んだときのオマケは大きい。

円高に進んでいた時でも、MMFなどで円に換えずにそのままリラで保有して再度リラ債に投資できる選択が出来ればなお良いだろう。満期時にリラのままで他のリラ債に乗り換え出来ればそれでもいい。マイナー通貨の債券では受け皿がなく強制円転される欠点がある。また発行体の信用リスクは殆どが欧州の公的機関なのでその点では信用リスクはない。FXではまだトルコリラを取り扱っている会社はないが、現在では長期金利よりFXで適用されるスワップ金利のほうが高い。流動性が低く期間が短く限定され受け皿がない債券投資よりFXは現時点では魅力的だ。

 
3.為替と野球「資源大国サウジの人と出会って」

 先週は縁あってサウジアラビアの方と話す機会があった。横浜のホテルに数人と1ヶ月滞在している。世界最大の産油国なので横浜の不動産でも買い付けに来たのかと質問したらそうではなく、京浜工業地帯の日本の大手電気メーカーへ研修に来ているということであった。ポスト原油を見据えてサウジアラビアの国内産業の育成だろう。日本について聞いたが「クリーンだ」「混雑している」「物価が高すぎる」「若者が英語を話さない」などが印象に残ったようだ。ただサウジアラビアの人がすべて金持ちではなく、サウナで話したのだが、そのサウナ程度の広さに10人ほどで暮らしているのが平均だという。

一人当たりのGDPも1万ドル台で高くない。原油収入は国家に入るようだ。ただその収入は社会福祉に使われているのだろう。ペットボトルの飲料やチーズバーガーは10円程度ということなので日本の3分の1のGDPでもむしろ可処分所得は高いかもしれない。ガソリンも1リットル15円程度なのだろう。ただ日本からの観光は団体旅行のみで個人の観光は原則難しいようだ。

2008年07月20日

そろそろ米国2QGDPを見据えて

今週の重要イベント「そろそろ米国2QGDPを見据えて」
7月21日(月)-7月25日(金)「今週の戦略」

今週の私の戦略「長いヒゲを活用したい」
予想レンジ(ドル円105.50-108.50、ユーロ円168-171)

1.今週のマーケット「当局の思惑通りのドル高&原油安」

 先週はドル安予想が多かったが、週では始値106円09銭、終値106.89と陽線、ドル上げとなった。安値103.77からの長い下ヒゲでドル買い圧力を示した。本誌では先週、ドル安要因とされているサブプライム問題やイラン・イスラエル問題については「米国金融機関の決算、イラン・イスラエルの軍事問題が焦点となるがどちらも昨夏のサブプライム問題と比べれば先行きが見えている。サブプライムの問題では資金注入、破たん処理、合併、さらにはリスク管理の強化などと解決策が提示されている。戦争不安の問題は結局はどちらかが手を出せば世界中から封じ込められるので解決は早い。戦争ネタは超短期で引き上げたい」としていたが、その通りの展開となったと言えよう。

 サブプライム問題については銀行決算の悪化、破綻、格下げなど1Q、2Qの数字はドル弱気ともなりかねないようなものが続くが、既にG-7、FSF(26カ国の金融当局が参加する金融安定化フォーラム)などで将来のリスク管理強化が示されているのでドルを売っても短命に終わってしまうだろう。

 今後の焦点は今週の指標ではなく7月31日の米国2QGDPだろう。まだ予想は出揃っていないが予想レンジは年率0.7%から3.0%(1Qは1.0%)である。以前はマイナス成長の予想もあったが持ち直している。またサブプライム問題に揺れる米国以外でも、ユーロ圏や日本も景気指標も弱く、サブプライム問題だけでドル売りは出来ない。本誌では既に3月からその点を指摘していた。

 大きな流れはインフレの抑制であり、その点では米国金利は下げ止まり、引き上げ時を探っている。またドル相場はG-7のみならず、OPEC諸国、中国、ロシアなどもドル高に賛成である。6月の大阪財務相サミットで議論された通りに原油高抑制、ドル安抑制は軌道にのってきた。

 その他最近底堅い南アランドやNZドルであるが、NZは政策金利決定会合がある。またオーストラリアは2QPPI、CPIの発表がある。景気減速とインフレ懸念のジレンマに悩むオセアニア両国の金融政策をチェックしたい。

「注目指標」

21(月)豪 2QPPI、米 景気先行指数
22(火)日 全産業活動指数、米 リッチモンド連銀製造業指数、住宅価格指数
23(水)豪 2QCPI、米 ベージュブック地区連銀経済報告
24(木)RBNZ政策金利、日 6月貿易統計、独 IFO 景況指
数、ユーロ圏経常収支、米 失業保険、中古住宅販売件数 
25(金)日 CPI、企業向けサービス価格指数、米 耐久財受注、新築住宅販売

2.高金利特集「最近のヒゲのパターン」

最近に限ったことではないがローソク足のヒゲは為替需給をよく教えてくれる。上ヒゲはドル売り圧力を下ヒゲはドル買い圧力を示す。ヒゲが実体より長い時に特にその影響は大きくなる。基本的には長い上ヒゲが出れば売り、長い下ヒゲが出れば買いという意識を持つ。上ヒゲでは買い持ちには注意、下ヒゲには売り持ちに注意したい。6月30日、7月1日の下ヒゲ、7月15日、16日の下ヒゲ、また7月7日、7月10日の上ヒゲも効果的であった。下ヒゲの翌日に上ヒゲが出る7月7日、7月8日のパターンもあるがそれもデイトレには大きな効果があった。

 ただヒゲを注目した取引も余り長く持ち越さず、1日限り、あるいは半日限りで 手仕舞うのが良いだろう。

 
3.為替と野球「鎖国せず広く取り入れ活性化」

 野球では古くは巨人がドジャースの戦法を取り入れた。また野村監督(当時南海ホークス)の考える野球はヘッドコーチであったドンブレーザーを参考にしている。現在も広島はブラウン監督で外国人(主に米国人)が与えた影響は大きく日本の戦術も改善してきた。もちろん選手として来日した人も多くの功績を残した。さて話は飛ぶが私も外資系で働いたこともあり外国人の上司に仕え、戸惑いを感じながらもそのリスク管理の厳しさには多くを学んだ。米英仏豪スイス人など様々な国籍の上司に使え日本の為替取引と異なる点を大いに学ぶことが出来た。日本の為替取引においても80年代のどんぶり勘定的で無責任なリスク管理も次第に欧米並みになってきたように思える。ヘッジファンドなど大胆な取引を行うディーラーもリスク管理は案外徹底していた。

さらに話は飛ぶが、今 日本は年金、財政、教育などで問題を抱える。年金では北欧やニュージーランドのシステム、また財政ではニュージーランドちゃオーストラリアのような黒字の国やユーロ圏の厳しい財政規律、教育システムでも北欧が優れていると言われている。まさか欧米では教育者の幹部の汚職はないだろう。日本の公務員にも外国人を採用して違った視点で問題点の解決を探ってもらってはどうだろうか。日本の企業でも外国人経営者で立ち直ったケースもある。明治政府は外国人を採用していたという。今のままでは氷山の一角のごとく問題は晒されても根本的な解決はないように思える。外国人を採用、活用すれば新たな視点で汚職、談合、天下り、口利きなどの日本的問題を解決していくのではないだろうか。

2008年07月27日

米国GDP、どこの国も減速でドル下がらず

今週の重要イベント「米国GDP、どこの国も減速でドル下がらず」7月28日(月)-8月1日(金)「今週の戦略」

今週の私の戦略「ドル円、クロス円押し目買い」
予想レンジ(ドル円106.50-109.50、ユーロ円168-171)

1.今週のマーケット「米国GDP、どこの国も減速でドル下がらず」

今年前半では第二四半期はマイナス成長の予測もあった米国2QGDP(31日発表)は予想が前期比年率+2.0%と1Qの+1.0%を上回るものとなっている。減税での可処分所得の増加とドル安で輸出が好調となったことによるものだ。米国GDPの翌日は雇用統計の発表もあるが米国指標で減速が明らかになっても日本、ユーロ圏、英国、オセアニアも同じように減速の指標が相次ぐので米国減速でドルを売り込んでも素早く手仕舞いたい。

 着々とサブプライム問題に米国は対応している。去年の対応はまだ利下げや資金供給など手探りのものであり効果も期待薄であったが、最近では個別に具体的に対応している。またUBSに対しては金融商品虚偽の説明で、BOAは住宅ローンの不適切慣行で、ベアスターンズ幹部も詐欺の疑いでそれぞれ訴追した。住宅ローン詐欺では400人を訴追している。またオランダ投資ファンドを原油相場操縦で起訴した。さらには株の空売り規制を全銘柄に広げようとしている。日本では最近破綻して長銀経営陣に無罪の判決が下ったことと比較するとやはり米国の対応は迅速であり問題の責任は誰かがとることとなる。

 ドル安も対ユーロではなかなか回復しないが、対円では上昇、原油高も6月大阪サミットや産油国サミットを経てかなり抑制されてきた。米国の対応の効果が出ているわけで、ドル買い介入の武器はなんとか使わずにすみ、いざとなったとき温存出来た。NY BOT(BOARD OF TORADE)のドルインデックスも3月は71を割ったが現在は72台後半となってドルも安定してきている。日経通貨インデックスでは3月からはドルやユーロはほぼ変わらないがドル円は3月の103から現在93と10ポイント下落している。パニックがなければ円安が進む。

 サブプライムでは米国GSE債券購入者に日本の投資家が含まれていることも明らかにされたのでこれ以上世界に広がるパニック的なものは想定できない。正気になれば円安ということだろう。

「注目指標」

28(月)NZ貿易収支、独 GFK消費者信頼感指数
29(火)NZ 住宅建設許可、日 雇用統計、家計調査、小売売上、南アPPI、米 消費者信頼感指数
30(水)豪 住宅建設許可、日 鉱工業生産、南アCPI、米 ADP雇用者数、 
31(木)豪 小売売上、貿易収支、独 雇用統計、ユーロ圏 CPI、消費者信頼感指数、失業率、南ア貿易収支、米 2QGDP 失業保険
    シカゴ購買部協会景気指数
1(金)独&ユーロ圏 製造業PMI 独 小売売上、米 雇用統計、ISM製造業指数、建設支出


2.高金利特集「NZ利下げの留意点」

 7月24日NZ中銀は公定金利を8.25%から8.0%へ引き下げた。やや意外であったのは現地紙も「He's done it! Bollard cuts interest rates 」と一面にのせたことだろう。ボラードやったじゃないかと言ったところだろう。ただまったく意外でもなくやや意外としたのは既にNZ中銀は秋以降の利下げを表明しておりまた政権交代をもくろむ野党国民党キー党首もスタグフレーションを避けるために利下げを要求
していたからだ。意外なのはインフレターゲットを超えるインフレ率である現状において利下げをした点だ。秋まで今一度景気指標を点検する前に利下げに踏み切ったのはNZ中銀のいわゆるフォワードルッキングで、景気鈍化、インフレ低下の兆しがあると判断したからだろう。

 注意点は現在とほぼ同じレベル(0.76台)でNZ売り介入をした昨年と異なり、今回の中銀声明には、今後も利下げを行うがそれは為替相場が下落していないことを前提にすると為替相場の変動には留意している。
  
さて今回利下げを行ったことでよりNZ経済指標が注目される。9月に再利下げもありうるからだ。今週は早速貿易収支と住宅建設許可の発表がある。住宅建設許可は4月+82%、5月-42%と大きくぶれやすい。1QGDPが前期比-0.3%であったことから政府中銀はなんとかリセッションを避ける対策を講じてくるだろう。それが今回の利下げであり10月に予定されている減税だ。個々の指標を見ながら2Qも成長鈍化となれば数回に分けて7.5%程度までの利下げも想定に置きたい。景気が悪化すれば利下げや減税で対応出来るのが日本と違うNZの柔軟性だ。

長期的なスワップ投資についてはこのような景気サイクルはつきもので、サイクルの下限ではNZ下落も予想されるが、それも想定してのレバレッジ2,3倍を推奨している。我慢して持ち続けてもいいが時間の余裕があればNZドル・対米ドルでヘッジ売りをするのも一つの手法だ。(私は長期投資の部分はおそらく何もしないで放置したままであるし資金的な余裕があれば半年程度の期間で拾っていきたい。)

3.為替と野球「日本の貿易黒字は名古屋がすべて叩き出す」

今年は貿易黒字が大幅減少しているが日本の戦後は貿易黒字大国の道を歩んできた。ここ最近では年間10兆円以上の黒字をたたき出してきた年が多い。貿易黒字が円高相場を演出してきた。さてその黒字を地域別に見ると大きな特徴がある。2006年には日本は約8兆円の黒字となったがそのうち名古屋港は輸出12.6兆円、輸入4.6兆円で黒字8兆円となり日本の黒字の100%を占めている。横浜港も黒字で3.92兆円だ。その他の港では殆どが赤字となっている。東京港は1.9兆円、千葉港は2.6兆円、川崎港は1.2兆円、大阪港は1兆円の赤字だ。名古屋はトヨタをはじめとする自動車関連の輸出が多く、また肥沃な濃尾平野を抱えていることから農産物の輸入も少なくてすみ大きな黒字となっているのだろう。日本で一番景気のいい地域はやはり日本の貿易黒字のすべてをたき出す名古屋地区となる。