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2008年06月 過去の記事

2008年06月01日

インフレに対応出来る通貨を買いたい

今週の重要イベント「金利週間、金利月間」

月末の輸出での円買いも一時的」

6月2日(月)-6月6日(金)「今週の戦略」

今週の私の戦略(インフレに対応出来る通貨を買いたい)
予想レンジ(ドル円103.50-106.50 ユーロ円 162.50-165.50)
今週のマーケット「インフレに対応出来る通貨を買いたい」

 5月が終わった。何度も申し上げたが3月のベアスターンズ買収、G-7、FOMCでサブプライム問題が落ち着けば、ドル円、クロス円、日経平均も2ヶ月連続陽線となっている。急激な円安とは言わないが円相場の安定は輸出企業のみならず、投資家にとっても心地よく、政治の安定化にも繋がる。そのあたりをもう少し政府日銀も考慮してはどうだろうか。円高株安が始まったのはサブプライム問題ではなく昨年2月の日銀の利上げにあると思っている。

 さて6月のデータではドル円の上下は五分五分、7月は圧倒的にドル上げが多い。7月は日本の夏のボーナス見合いの個人のドル買いが出る。8月は外債利金の払いや中間決算への海外拠点からの利益送金での円買いでドル下げが多いのが基本データだ。昨年はサブプライム問題が8月にパリバショックで発覚し円買いが加速したが、その前の7月にチャート的には円買いが示唆されていたのでドル上げの多い7月でもドルが下落した。需給の基本データを活かしつつ、大きなトピックや大きなチャート変化には対処したい。データだけで勝てれば楽天も優勝するのであるがそうはいかないところが、面白さでもあり、為替を止められない、抜け出せない理由だ。月の基本データのみならず日々の需給基本データを頭に入れて、トピックを加味していきたい。

また6月は金利月間でもある。サブプライム問題が落ち着き焦点はインフレとなる。インフレに耐えられる国の通貨が買われるだろう。インフレを賃金に転嫁できる国、減税できる国、経済規模を拡大出来る国が買われる。豪ドル、NZドル、南アランド、ユーロ、それとドルも少々。サブプライム問題については今後も決算悪化、破綻、合併、買収、格下げなどの報道が続くが事後処理と前向きにとらえたい。

 今週は豪、NZ、英国、ユーロ圏、来週はカナダ、南ア、日本が政策金利を決定する。バーナンキ議長は今週2度講演する。最悪期は脱したがまだ異常な金融状態でと慎重な発言を繰り返すだろう。日銀白川総裁も発言するが、利上げもある利下げもあるというはっきりしない発言をするだろう。

 6月3日 豪 7.25% 資源高景気で住宅投資弱いが0.25%利上げも
 5日 NZ  8.25% 減税、賃上げで減速の中でもインフレ懸念強く据置
 5日 英国 5% 減速とインフレの狭間で据置
 5日 ECB 4% 減速とインフレの狭間で据置
 10日 カナダ 3.0%追加利下げの予想もあるがインフレ懸念で据置か
 12日 南アフリカ 11.5%インフレターゲット6%をはるかに超える9%のインフレ、0.5%から1%の利上げも(ムボエニ総裁は2%利上げも示唆)
 13日 日本 0.5%4QGDPゼロあるいはマイナス成長を控え、据置か、利下げあるいは緩和示唆発言があってもよい
 19日 スイス 2.75% 英、ECB同様 インフレと減速で据置
 25日 米国 2.0%4月FOMC通り、サブプライム問題からインフレへシフトし利下げ打ち止め、据置となるか
  
 「注目指標」

2(月)豪小売売上、米 ISM製造業指数、建設支出、
3(火)豪 住宅建設許可、経常収支、RBA政策金利、日 マネタリーベース、独 小売売上、ユーロ圏 PPI、米 製造業受注
バーナンキ議長、白川日銀総裁 国際通貨会議(IMC)中央銀行パネル討議
4(水)豪 IQGDP、日 法人企業統計調査、米 ISM非製造業指数、ADP雇用者数、バーナンキ議長ハーバード大学講演
5(木)NZ中銀政策金利、豪 貿易収支、BOE金融政策委員会、ECB理事会、米 失業保険
6(金)独 鉱工業生産、米 雇用統計、


2.高金利特集「続スワップは3年持って年平均30%、実績表」

先週、3年間のNZスワップは年平均30%程度で回っていると書いたが、実績表がないと説得力がないので添付したい。これ以上に変動で儲ける自信があればデイトレに集中するのもいいだろう。

ファイルをダウンロード

スワップ6903534、変動益2312200 合計9215734、3年 レバ3倍 投資元本1000万円、収益92.15%、年平均利回り30.7%、5月30日現在 

3.為替と野球「名古屋だけなら円高」
 
名古屋は景気が良いと言われている。世界のトヨタとその周辺企業が活況を呈しているからだ。また名古屋は日本の貿易の90%を叩きだしていると聞いたことがあるが名古屋税関が発表した4月の貿易概況(速報)によればまさしくそうであった。

管内(愛知、岐阜、三重、静岡、長野)の輸出額は前年同月比で0.8%増の1兆7236億円となった。円高や米国の景気減速で、北米向け輸出が8カ月連続で減少する一方、アジア向けの輸出が3.8%増えた。輸出額が最も多い自動車は、前年同月比0.5%の増加。北米向けは11.2%減ったが、 アジア向けが31.7%と大幅に増えた。一方、輸入額も前年同月比11.8%増の8331億円となった。原油・粗油の輸入は、原油価格の高騰で58.4%増となった。

 名古屋の貿易黒字は8905億円となる。4月の日本全体の貿易統計では黒字額は4850億円なので、日本の黒字の90%どころではなく183%をたたき出している。名古屋は恐ろしい。名古屋では円高、名古屋以外で貿易赤字なので円安となる。名古屋が独立すれば日本は超円安となってしまうかもしれない。

2008年06月08日

世界経済減速合戦

今週の重要イベント「世界経済減速合戦」

6月9日(月)-6月13日(金)「今週の戦略」

今週の私の戦略(利上げ出来る国が勝つ)
予想レンジ(ドル円103-106 ユーロ円 164-167)

今週のマーケット「世界経済減速合戦、利上げ出来る国が勝つ」

 現在は世界経済減速合戦であるが先週末の5月米国失業率は4月の5.0%から+0.5%の5.5%となったことは久々のネガティブサプライズ(若年層の失業率が悪化)となった。ただ既にダウは400ドル下げ、ユーロは200ポイント(円は1円)上げているのであまり先週の余韻相場にのめりこみたくはない。またドル下げは欧州通貨中心であり対円ではサブプラショックほどきつくない。ドル円はユーロを追って少し下落した。

 米国の弱さにのめりこんでいるうちに他国も悪いものが出てくるのが最近の傾向だ。ドル円は3月17日、4月12日の上昇ラインを下方へ平行移動したラインを一目均衡表の雲の上限(103.50)へ接するようのもう一段下げたレンジで推移するだろう。103-106あたりか。ポイントは12日(木)の5月米国小売売上(予想+0.5%、4月-0.2%)。減税小切手の威力が出るかどうか。

 米国は失業率が悪化して失業率+インフレ=悲惨指数が90年や05年と同じ9.4となったそうだ。FRBの目標は雇用と物価の安定なので舵取りが難しくなる。10月利上げが80%程度の予想であったが50%へ低下してしまった(ちなみに日本の日銀も物価の安定が目標だがインフレターゲットも目安もないので責任もないある意味気楽な職と言われている)。

 さて金利月間は続く。今週はカナダ、南ア、日本。先週の豪、NZ、ECB、BOEはいずれも据置であったが、中銀声明で利上げを示唆したユーロ、豪ドルが強い。利下げを強く示唆したNZは弱い。声明のなかったポンドは波乱なし(沈黙は金)。

 南アはインフレが10%にまで伸びてきたので夏までに13%まで引き上げ説もあるが、それに職を失う不安にかられ外人排斥暴動まで引き起こした貧困層が耐えられるかどうか。日銀は何をするのかよくわからないが、インフレ指標のうち、CPIは上昇しても賃金、GDPデフレーターが上昇しないのでデフレ脱却はまだだろう。そういう状況で引き上げると昨年2月の福井さんの時のように株価は暴落してしまう。教科書通りにやってもらいたい。この項の題名は「利上げ出来る状況が整った国の通貨が勝つ」としたが、日本のように間違った理論で無理やり上げると弊害いや被害甚大となる。

週末には大阪で財務相会議がある。サブプライム問題について4月G-7声明では4分の3を割いたが今回はどれくらいになるかがサブプライム問題の落ち着き度を探るところとなろう。原油高食糧高の議題についてはG-8で議論するには直接の当事者がおらず隔靴掻痒の感が残るだろう。
  
 「注目指標」

6/8ラッド豪首相訪日
9(月)日 マネーサプライ、景気ウォッチャー指数、景気動向調査、独 国際収支、米 中古住宅販売保留
10(火)日 機械受注、米 貿易収支、カナダ中銀政策金利、バーナンキ議長講演
11(水)日 1QGDP二次速報、企業物価指数、国際収支、米 地区連銀経済報告
12(木)豪 雇用統計、ECB月例報告、米 小売売上、失業保険、南ア中銀政策金利、バーナンキ議長講演
13(金)NZ 小売売上、日銀政策決定会合、消費者態度指数、金融経済月報、米 CPI、ミシガン消費者信頼感指数
     大阪サミット財務相会議

2.高金利特集「レバレッジ2,3倍はNZドルを対象にしていた」

 最近はスワップ狙いは2,3倍のレバレッジでという方が多くなってきている。セントラル短資オンライントレード社の方に言われたのだが拙著の講談社の「働かずに1000万儲ける」が元ネタだそうだ。但しこの本は当時6%程度の金利のNZ円(70円程度)を前提にしている。とにかく投資するなら10%程度の利益は確保しないと儲けとは言えないと思っていたので、天才バフェット氏の20%はおこがましいので、2、3倍なら20%にもいかずにある程度儲けられるので秩序(バフェット氏との)も守られると思ったからだ。どの通貨も2,3倍でいいということは言っていなかった。NZドルや豪ドルを対象にしていた。ランドやトルコリラは想定外であり当時はFXでは取引されていなかった。

 10%以上も金利があるならレバレッジをかける必要もないと思う。何故ならこの手法は寝ながら何も苦労せずに儲けようとするものだ。またレバレッジを決めるにはやはり一応変動相場制移行のデータやその国の金融制度や為替制度、政策介入につては調べておきたい。本に書いたようにそもそもの始まりは8%の日本の銀行の高金利の金融債で味をしめて始めたものである。それほどだいそれたことは考えていなかった。

何しろなにもやらずに儲けようとしている。天才投資家と言われる人々は苦労して投資手法を浴びだしている。そのような方々を上回っては申し訳ない。

 一攫千金ならデイトレで大きくレバレッジをかけて勝負するのもいいだろう。ただデイトレ変動狙いはそれなりに精神的緊張という対価を強いられるので、何も考えずにのんびりしているスワップ狙い投資には負けない儲けを出して欲しい。

3.為替と野球「儲かるのは1ドル240円の買いか売りか」

 つくづく為替証拠金のスタートが1998年で良かったと思う。日本が実需原則の撤廃(輸出入の裏づけのない取引=投機的取引が出来ること)があったのは1984年であった。当時ドル円は240円近辺であり1985年前半には264円まで上昇していた。

 その時FX(為替証拠金取引)が開始されていたら当時も日本の金利は世界で一番低かったので個人は外貨買い円売りのスワップ狙いを行っていただろう。いくら押し目買いが好きな人でも240円は我慢して235円では買っていただろう。1984年ではなく14年後の1998年に始まったおかげでドル円は100円から120円で買える。豪ドル円、NZドル円、ランド円も1984年頃は140円程度であったので今はかなり安く買えている。絶好の押し目買いだ。考えようによってはよくこれだけ我慢できたともいえる。

 ただその時にドル円を240円で不幸にして買っていても米ドル債なら14%程度の利回りがあった。30年債ではまだ満期がきていない。単利でも14×30で480%の利益がある。為替が100円でもいや50円になっても益は出る。仮にFXがあって逆に天才的な相場観で240円で売ってたとしてもスワップの払いが為替益を打ち消して損金になっているだろう。スワップ狙いは時間が対価であり、デイトレは精神の短期的な集中が対価である。


2008年06月15日

インフレ抑制にはドル安定が不可欠

今週の重要イベント「インフレ抑制にはドル安定が不可欠」

6月16日(月)-6月20日(金)「今週の戦略」

今週の私の戦略(22日の産油国消費国会議へ向かってドル買い)
予想レンジ(ドル円107-110 ユーロ円 165-168
今週のマーケット「22日の産油国消費国会議へ向かってドル買い」G-7比較表添付

 大阪サミット財務相会議が終了した。ファイルをダウンロード

印象としては
①サブプライム問題が解決し焦点はインフレ問題へ
②インフレ抑制の為にドル安定からドル高が必須に合意
③SWF(政府系投資ファンド)歓迎

が強い。

 前回4月G-7は画期的であり、サブプライム問題に期限をつけて(100日以内、年末まで)解決方向へ向かった。その後のサブプライム問題はその通り、損失開示、買収、合併、資本増強へ着々と改善方向へ進んでいる。

インフレについては二つに分けていて原油と食糧だ。食糧については富裕国のドナーが貧困国へ援助するという施策だけであり価格抑制に繋がるとは思えない。原油については先物市場の監視強化、石油データの透明性改善、原油増産などが上げられたがあくまで消費国の立場であり実効性はあると思えないが6月22日に産油国、消費国(と何故か米系証券が参加)の会議が開催されるのは評価したい。

 また金融システム安定の為の政府系投資ファンドの投資を歓迎していることも評価できる。

インフレ抑制の為のドル高政策はサブプライム問題解決に自信をもったからこそ出来た政策転換だろう。本誌では3月よりドル円の上昇を推奨してきたが、今後もドルは安定ないしジリ高へ推移していくだろう。 2月、4月、6月のG-7及び財務相会議を比較した表を添付した。参考にして頂きたい。
  
 「注目指標」

16(月)NZ製造業売上、日 資金循環統計、ユーロ圏CPI、バーナンキ議長講演、NY連銀製造業景気指数、対米証券投資、NAHB住宅市場指数
17(火)日 第三次産業活動指数、独&ユーロ圏 ZEW景況感調査、ユーロ圏貿易収支、米 1Q経常収支、PPI、住宅着工、建設許可、鉱工業生産、設備稼働率
18(水)ユーロ圏建設支出
19(木)日 全産業活動指数、スイス中銀政策金利、米 失業保険、景気先行指数、フィラデルフィア連銀景況指数
20(金)独 PPI、
22(日)産油国消費国会議 (サウジアラビア)

2.高金利特集「6月22日のサウジアラビア会議に注目」

 今週は今月の金利月間の多くを終えて焦点がぼけて17日の米国経済指標が多く出る日くらいを注目していたが、今回の大阪財務相会議のインフレ重視の内容から22日の産油国と消費国(含む米系証券)との会議を強く意識している。原油問題はOPECと消費国がこれまで一同に会する機会がなく歯車は噛みあわなかったが、始めて両者が議論する場がもてるようになったことは評価したい。もちろん立場の違いですんなり意見がまとまることはないだろうが一歩前進だ。これを思惑して原油など資源価格の下落があれば米国株式市場の上昇からドルの上昇にも繋がるだろう。要注目の産油国消費国会談だ。 

3.為替と野球「先読みは野球だけではない」

 いまだ米国サブプライム問題は終わっていないからドル売りだという人がいる。今週は米国金融機関の決算が悪いのでドル売りなどと日経新聞の為替予想となっている。私の中では既にサブプライム問題は3月で終わっていると述べてきた。ベアスターンズの買収がきっかけだ。損失を開示し責任をとり回復が見込める機関は買収させ、回復不能な機関は破綻させる道筋は出来た。それは損失がはっきりしなかった昨夏から2月頃とはまったく違う。その後も同じように金融機関の損失開示、増資などが行われてきた。ドルは対円で10円以上上昇しているのが市場のセンチメントの変化だろう。米国経済は年末からあるいは来年底打ちから回復すると言われている。ただそれが1年であろうが2年であろうがたいした問題ではない。ここ1,2年が底なら米国を売るより買いが投資家のとるべき行動だろうと思った。

 今後も米国金融機関の決算悪化や景気指標の悪化の数字が出るが過去の弱い数字で相場を張るのでなく、前向きな改善策期待で相場を張っていきたい。4月、6月のG-7や財務相会議は前向きなものであった。 
 
 

2008年06月22日

FOMC、貿易統計、短観前哨

今週の重要イベント「FOMC、貿易統計、短観前哨」
6月23日(月)-6月27日(金)「今週の戦略」

今週の私の戦略(基調はインフレとドル安抑制)
予想レンジ(ドル円105.50-108.50 ユーロ円 166-169)
今週のマーケット「今週の注目点その①」

月曜の朝のシドニー市場は先週末のニューヨークで株下げドル下げを見ただけにいつもの儀式のように早朝ドル売りが出るだろう。ただ6月9日には前週の5月米国失業率が0.5%一気に悪化して5.5%になったがドル円は104円から108円まで上昇してしまった。東京での午前中の実需の値動きもチェックしていきたい。

 3月以来のドル上昇のセンチメントも先週の米国企業決算悪化やサブプライムローン保証会社などの格下げで収まってきたが、米国政府やFRBの基本姿勢はインフレとドル安の抑制にある。すぐさま利上げや介入には結びつかないが、波乱があれば当局が口先介入や実弾介入に出てくることは頭に入れておきたい。金利市場や為替市場は最終的にはいつの時代も当局が極端な動きには歯止めをかけてしまう。それは個別株が放置されるのとは違う。

 今週は原油問題、FOMCと米国住宅関連指標、日本の貿易統計、短観前哨戦、月末景気指標パッケージ、南アは物価指数とグリーンスパン氏講演とジンバブエの大統領選挙、NZではマイナス成長予想の1QGDPの発表がある。変動狙い派にとっては垂涎の週となる。以下ひとつひとつ取り上げていきたい。

*原油問題とドル安

 G-8で原油高騰問題が取り上げられたので今後は様々な対策が長期に渡り打ち出されてくる。本リポート執筆時にはサウジアラビアでの産油国消費国投資銀行の三者会談がまだ終わっていない。23日には欧州連合とOPEC代表者会議が開催される。米国ではCFTC(商品先物取引委員会)が先物取引監視人員を増員したり、ポジション制限を行う。また極端な議員は機関投資家に原油先物取引禁止法案まで提出するという。増産を行う国もあろが反米の国は行わないだろう。ただドル安は産油国にも弊害が大きいことでは一致している。

*FOMCと住宅関連指標

 FOMCは3月頃からサブプライム問題による金融緩和からインフレ重視政策へシフトしている。ただまだ利下げ打ち止めという段階であり利上げをするとは言っていないのだが、メディアだけが勝手に舞い上がって利上げ利上げと騒ぎ、最近では指標が悪いので利上げはしないという報道に転じている。1Q、2Qはまだサブプライム問題の影響が残り、マイナスのGDPも当局は覚悟している状況である。そのあたりはじっくりと見たい。当局の時間軸はデイトレーダーやマスメディアよりゆっくりとしたものだが一旦方針を決めると持続する。指標には一喜一憂しないだろう。また米政府もドル買い介入を示唆したがそれもすぐやるものでもない。3月のドル安値あたりが基準となるだろう。為替相場は最後は当局が上も下も抑えるものだ。今週の住宅指標も悪いものが出るのは覚悟しているだろう。昨年のように覚悟せずにサプライズの指標が出た時とは違う。予想通りの悪い数字が出たときのほうが反応は鈍い。
   
「注目指標」

22(日)産油国消費国会議 (サウジアラビア)

23(月)日 法人企業景気予測調査、独 IFO指数、欧州連合とOPEC代表者会議
24(火)米 消費者信頼感指数、リッチモンド連銀製造業指数、グリーンスパン前FRB議長(南アで講演)、トリシェ総裁講演
25(水)日 貿易統計 南アCPI、米 耐久財受注、新築住宅販売、FOMC
26(木)NZ 1Q経常収支、米 1QGDP確報値、失業保険、中古住宅販売
27(金)NZ 1QGDP、貿易収支、日 雇用統計、家計調査、CPI、小売統計 米 個人所得、PCEデフレーター 

2.高金利特集「今週の注目点その②」

*日本の貿易統計と短観

 原油高騰による日本の貿易黒字減少がドルの底堅さを生み出している。戦後の円高は貿易黒字が、戦前の円安は貿易赤字が背景にある。戦後の黒字基調が変わるのかしばらく追っていきたい。25日は5月貿易統計の発表がある。

 短観発表の前にロイター、QUICK、朝日新聞の調査が出て悪化を示した。23日は法人企業予測調査もある。悪化はすでに折込中だ。ただ政府日銀、民間からまったく同じ調査を何度も受ける企業の担当部署の方も面倒だろう。何度も「悪い、悪い」とアンケートに回答すると気がめいってしまうだろう。

*南アとNZ

南アは利上げしたばかりだが、今週はPPI、CPIの発表がある。またグリーンスパン氏が南アで講演する。隣国ジンバブエはハチャメチャな状態の中、大統領選挙が行われるのだろうか。ムガベ大統領は負けが推測されるならまた開票しないだろう。

 NZは週末に1QGDPが発表される。前期比-0.3%から-0.4%で先進国では最初のマイナス成長となる。年内利下げも予想される。私が3年前にスワップの本を書いた時は金利6%、為替も60円から上昇した80円近くになったところであった。長い目で見れば2,3回の利下げもたいしたことはないが、短い目で見れば大変なのでそれはデイトレに活かし、かつ動きがわかりやすい対ドルで取引すべきだろう。
 
3.為替と野球「50歳以上のFXセミナー、人それぞれの手法」

 先週金曜日にセントラル短資オンライントレード社で「50歳以上のFXセミナー」をさせて頂いた。私はディーラー出身なので話す訓練も受けていない。日々「売った、買った」だけをやっていた人間で、文字もそれほど書く必要のない仕事であった。ひたすた収益を上げるのが仕事である意味、単純で無味乾燥な仕事であった。ただ勝ちさえすれば何とでも会社にも無理が効く利点もあった。

 さてこのような限定セミナーは話すのが苦手な私にもやりやすい。為替の収益は変動と金利差の二つによる。また取引期間と運用期間も千差万別であり、目指す収益もさまざまだ。一般的な予想をしていると思わぬ誤解が生じてしまう。4月頃の102円の時にドル買いを推奨したがその後101円程度まで下げたので苦情のコメントを頂いた。ただ暫くすると105円、さらに108円まで上昇したが、苦情を言われた方は101まで下落することなくすんなり103円、104円へと上昇することと思っていらっしゃったのだろう。

 どれくらいの変動に耐えられるかも人それぞれ異なる。レバレッジを5倍、10倍にしてスワップ狙いして損をした文句を言ってこられる方もいる。変動、金利差、時間軸、収益目標で取引手法は異なる。一人一人別にお話すればいいのだがそれは実際無理だ。

 今回のような限定セミナーの方が具体例をいろいろ挙げることが出来て説明しやすいと思った(7月2日にも同様のセミナーを行う予定)。

2008年06月29日

ポールソン長官訪欧=短観、ECB理事会、米雇用統計

今週の重要イベント「ポールソン長官訪欧=短観、ECB理事会、米雇用統計」

6月30日(月)-7月4日(金)「今週の戦略」

今週の私の戦略(ドル下げ二番底は浅い)
予想レンジ(ドル円104.50-107.50、ユーロ円 166-169)
今週のマーケット「87年ブラックマンデー回避を思い出す」

 米国がドルを安定からドル高をもっていきたいところへ欧州が利上げをするかもしれないという状況は1987年のブラックマンデーを思い出す。当時もドル円が240円から下落して150円となり、85年のプラザ合意でドル下げを画策したG-7も87年2月のルーブル合意でドルの安定化を宣言していたところであった。そこへ独連銀ウェーバー総裁が利上げを示唆したものだからNYダウやドルは急落した。当時の危機再燃を恐れての意味もあるのだろうか米国ポールソン財務長官は29日から訪欧し、モスクワ、ベルリン、フランクフルト、ロンドンでを世界経済について協議を行う。ただ87年のブラックマンデーの翌年から90年まではドル円は120円から160円へ反騰した。パニックでドル売りつく後は自律反転した。

 米国金融機関の決算悪化、格付け引き下げなどのニュースに反応してドルが売られているが、3月の95円から108円まで上昇していたこともあり調整してもいい頃であったのだろう。ただ決算悪化は既に予想されていたものであり、悪いものを出し尽くせば次期からは強い伸びが出てくる。7月下旬に予定されているG-7声明にも取り上げられた国際金融システムの強化が具体化されるのでそれに従った損失開示であり前向きな展開と思える。日本の不良債権処理が「失われた10年」と言われるほど長きに渡ったが米国は迅速だ。短期的にドルを売るのはデイトレーダーの宿命であるし、3ヶ月ドル高で進んでいたポジション調整もあるので仕方はないだろう。

 一方米国経済指標は住宅は依然弱いが1QGDPは年率1.0%、個人消費も減税効果もあって強くなってきた。同じように減速する欧州経済や日本経済と比べて大差はない。日本経済も2Qはマイナス成長が予測され今週の短観も悪化する。為替需給的には原油価格が昨年の倍以上になっていることもあり輸入金額も大幅増加でドル買い圧力も高まっている。

 投機的に円買いが行われても実需での円買いの後押しがなければドル円の下げも限定的だ。もちろん8月のような中間決算のリパトリや外債利金の受け取りが集中する月は気をつけなかればならない。

「注目指標」
6月29日より7月3日 ポールソン財務長官訪欧(モスクワ、ベルリン、フランクフルト、ロンドン)

30(月)NZ住宅建設許可、ユーロ圏消費者信頼感指数、南ア貿易収支、米 シカゴ購買部協会景気指数
1(火)日 短観 豪 政策金利、独 製造業PMI、ユーロ圏 失業率、米 ISM製造業指数、建設支出
2(水)豪 小売売上、住宅建設許可、ユーロ圏 製造業PMI、失業率、米 ADP雇用者数、製造業受注
3(木)豪 貿易収支、独&ユーロ圏 サービス業PMI、ユーロ圏 小売売上、ECB理事会、米 失業保険、雇用統計、ISM非製造業
4(金)日 景気動向指数、独 製造業受注

2.高金利特集「やはり長期投資もFX」

 どこの国も金利が上昇し難くなっている。そういう時には長期債券を購入して高金利運用を固定するという方法がある。ただ最近は長期金利よりオーバナイト金利が高く短期投資が有利なのでそれも躊躇してしまう。オーバーナイトで付利してくれるFXも有利で少々のレバレッジをかければ長期債よりはるかに有利な利回りとなる。私もここ数年は満期がきた長期外国債券はFXへシフトしている。金利だけなら10
%から20%の利回りは安全に享受できる。為替変動リスクは長期債でもFXでも同じだ。信用リスクは特定の銘柄に投資するほどFXは神経質になる必要はない。通貨そのものに投資するのだから。ただお金を借りて金額を増額できる(レバレッジ効果)のでそのあたりは自分で節度を持ってのぞまないといけない。

今週もECB理事会や豪中銀政策決定会合があるが6月は金利月間であった。日、米、ユーロ、英、スイス、豪、NZ、カナダ、南アとインフレを各中銀が強く懸念しつつ結局利上げをしたので南アフリカが11.5%から12.0%へ引き上げただけで他は現状維持となった。7回連続利下げをしきた米国が現状維持したのは引き締め気味とも言える。景気減速とインフレ懸念で利上げも利下げも出来ないジレンマにどこの国も陥っている。また物価上昇は日本が典型だが海外要因であるがゆえ賃金上昇に反映出来ない国もある。

3.為替と野球「景気は誰が世話をするの=豪」

7月2日は豪中銀の政策金利決定会合がある。インフレ懸念あるも需要鈍化も予測され現在の金利は適切とされ据え置きとされている。ただこの理事会に出席予定の豪財務省高官はウォンバットを世話するため5週間の休暇を取り欠席するという。高官は熱心な動物保護活動家でもあり絶滅が危惧されているウォンバット115匹の面倒を見ている。

 ある新聞は「WHO WILL TAKE CARE ECONOMY?」とウォンバットの世話をするのはいいが景気の世話は誰がするのという皮肉な見出しをのせている。私も外資系に勤めていたことがあるが、外国人は日本人の常識を超えた長期休暇をとる。フランス人はバカンス好きだが夏に1ヶ月、クリスマスにも1ヶ月、3月にも2週間ほど休暇をとっていた上司がいた。またアメリカ人でも日本の当局との会議で来日していたが、それが2,3日延長先送りされることとなった時は妻との結婚記念日があるので会議に出ることなく帰国していったこともあり業務より家族を大切にすることはあった。今回は家族ではなくウォンバットであったので家族を大切にし長期休暇を愛するオーストラリア人もちょ
っと驚いたので新聞の見出しとなったのだろう。