今週の重要イベント「日本のGDP二次速報、処方箋のない日本経済」
3月10日(月)-3月14日(金)「今週の戦略」
今週の私の戦略(実需のない円買いでは長続きしない)
予想レンジ(ドル円101.50-104.50 ユーロ円156-159)
今週のマーケット「日本のGDP二次速報、処方箋のない日本経済」
今週の焦点は12日の日本のGDP二次速報だ。事前に発表された財務省の法人企業統計では設備投資が前年同期比7.7%減となったので二次速報も速報より0.3%減の+0.6%が予想されている。月例経済報告や日銀も景気判断を下方修している。昨年4Qの数字だが今年1Qはさらに円高、株安が進んでいるので先行きも暗い。米国はサブプライム問題に対処するために利下げ、減税を行っている。直接問題金融機関へ公的資金を投入することはないが、利下げ、減税で潤ってくる企業が出てきて景気の先導役が交代していくのだろう。景気後退の中での新陳代謝が行われていくだろう。
利下げや減税の余地のない日本も苦しいところである。通貨高でも介入をしていない欧州、また中国に変動相場制を要求している現状では日本も円売り介入はやり難い。ただこのままサブプライムローン問題の米国よりも速い速度で昨年来株が下落し、またドル建て輸出が50%以上を占める日本は円高は景気失速要因となる。早くもトヨタなどからは円高懸念の声が出てきた。円高での失速は後の円安への起爆剤となろう。
また前回申し上げたように2月最終週のような日本輸出、リパトリ、外債利金の支払いなどからくる円買いは3月にはない。やや投機的な円買いが主導しているなら円安への戻しも早い。週末でた「レートチェック」の噂ですぐもどすのも投機筋主導の相場を表している。相場は実需が出ないと長続きしない。
「注目指標」
(今週の予定)
10(月)日 機械受注、マネーサプライ、景気ウォッチャー調査、独 国際収支、
11(火)ユーロ圏&独 ZEW景況感調査、米 貿易収支、
12(水)日 4QGDP二次速報、企業物価指数、国際収支、消費者態度指数、
13(木)NZ 小売売上、豪 雇用統計、スイス中銀政策金利、ECB 月例報告、米 小売売上、失業保険
14(金)ユーロ圏CPI、米 CPI、ミシガン大消費者信頼感指数
2.高金利特集「南アフリカの株価は強く、為替は弱い」
南アフリカ株式市場は相変わらず騰勢を強めている。年初来約6%の上昇、1年前からでは22%の上昇となっている。今年は先週末で世界の主要市場では南ア市場だけが年初来上昇している。日本は年初来16%、1年前からは24%の下落となっている。一方為替は南アランドは対ドルでは6.7795から8.0へと18%の下落、1年前からでは7.25から8.0へと10.35%下落している。
株は強く為替が弱くと逆方向へ動いている。昨年後半から続いている政局不安と今年1月の電力不足で南アランドの売り圧力が高まっているが、株は資源価格高騰で鉱山株がリードして上昇している。政局不安は現職大統領のムベキ氏が出身政党の党首選で汚職疑惑のあるズマ氏に敗れたこと、電力不足は5%の成長を遂げる経済にインフラ整備が追いついていかなかったことによるものだ。
政局についてアパルトヘイト後の新生南アは虹の国と言われ国旗にも反映されているように、白人に復讐することなく白人を含めた7つの民族が融和する方針を打ち立てており今後もANC(最大与党)を中心に乗り切っていくものと思われる。電力不足はまさに成長痛と言える。
自国だけでも高度成長を続けていた上に、BRICsやNEXT11と呼ばれる国の高成長で鉱山業のインフラが需要に追いついていかなかったものだ。今後は欧米日などの先進国の協力でさらにインフラの整備が行われるだろう。既に日本やフランス企業とインフラの輸出の契約を締結している。時間がかかるかもしれないが株式市場に為替でのランド安の歯止めがかかってていくものと思われる。
3.為替と野球「FXの確定申告について=わかりにくいFxの税制」
確定申告の季節になったので税金についてお話したい。為替の税金は株式市場のように統一されていない。業者によって税率も異なるし、課税方法も異なる。また株式と違い為替取引には源泉徴収で確定申告を行なわないで済む特定口座というものはない。利益が出た年の翌年に確定申告をして税金を納めることになる。
1)税率について
税率については2種類ある。
A)申告分離課税で20%(取引所為替証拠金取引)
取引所為替証拠金取引(くりっく365)で発生した利益は、雑所得として申告分離課税の対象になる。取引所為替証拠金取引(くりっく365)における利益に対する税率は所得にかかわらず一律であり税率は、所得税が15%、地方税が5%で計20%となる。
また取引所為替証拠金取引で生じた損益は、他の取引所で行われる日経平均先物取引、金先物取引、オプション取引など(受渡し決済を除く)で発生した損益と通算し、申告することが可能であるが、非取引所為替証拠金取引で発生した損益は、他の商品(上記の取引所取引)との損益通算を行うことができない。
さらには取引所為替証拠金取引で生じた損失の金額のうち、その年に控除しきれない金額については、確定申告により、翌年以後3年間にわたり、申告分離課税となる先物取引に係る雑所得等の金額から繰越控除できる。
B)雑所得(非取引所為替証拠金取引)
非取引所為替証拠金取引における利益は、雑所得として総合課税の対象になる。非取引所為替証拠金取引における利益に対する税率は所得(給与等を含む)に応じた累進税率となる。
「雑所得」には、為替による売買利益の他に年金、恩給、非営利用貸金の利子、原稿料や印税、講演料や放送謝金などのように、利子所得、配当所得、事業所得、不動産所得、給与所得、退職所得、譲渡所得、山林所得、一時所得の9種類のいずれにも当てはまらないものを「雑所得」としている。「雑所得」は他の所得と合算して、年間の総所得により税率が決まる。この際、雑所得が赤字でも他の所得と通算することが出来きない。ただし、雑所得同間の通算は可能で、他の雑所得のマイナスをもって他の雑所得を控除できる。また、年間の給与収入総額が2,000万円以下の給与所得者で、かつ給与所得および退職所得以外の所得の合計額が20万円以下の場合、申告する必要はない。
ただA)の取引所取引と異なり非取引所為替証拠金取引で発生した損失は、翌年度以降に繰越すことができない。
くりっくなどの申告分離課税と雑所得との課税率の違いは以下の表の通りである。
課税所得金額 くりっく365(申告分離課税) 非取引所取引(総合課税)
195万円以下 20% 15%
195万円超330万円以下 20%
330万円超695万円以下 30%
695万円超900万円以下 33%
900万円超1800万円以下 43%
1800万円超 50%
また「雑所得」には必要経費が認められているため、売買手数料や電話代、プロバイダー使用料、関連書籍、パソコン購入費などが控除出来る。詳しくは確定申告時に税務署に確認したい。領収書などの経費として証明出来るものもとって置く必要がある。 また、売買報告書も税務署から提出を求められることもあり、数年間は保管しておくべきだろう。
2)課税方法について
課税の方法には3通りある。
1.決済時に為替変動差損益とスワップ金利の受払いを合算して課税(くりっく365も含む)
2.決済していなくても一年間(1月1日から12月31日)受け取ったスワップ金利に対して課税
3.決済していなくても一年間(1月1日から12月31日)の為替差損益とスワップ金利の受払いを合算して課税
ここが課税方法が統一されていないFXの特徴だ。各業者によって課税方法が違うので各社ホームページをご覧になるか直接電話をしてお確かめ頂きたい。
外貨預金のように利息については源泉分離課税で20%終了、また元本の変動差益については雑所得として課税と決められているのとは異なり上記のように3種類の課税方法があるので注意したいところだ。
1.は決済した年に為替差益とスワップ金利の受払いの合計をまとめて払う。数年間保有したポジションでも途中では払うことなく最後の決済時にまとめて払うこととなる。
2.はどちらかと言えば外貨預金に似たものであり、スワップ金利の受け取りがあれば毎年それについて課税される。元本の評価差益については決済するまでは課税されない。ただ1と異なり得たスワップ金利は自分の口座に反映されるのでいつでも自由に引き出すことが出来る。
1.の場合は課税はされないが自分の口座に反映されず使うことも決済時までは出来ない。
3.は自分では保有ポジションを決済していなくても業者は日々決済している形(ロールオーバー時に毎日為替差益が確定されるということ)をとっていて、元本の為替差損益も日々口座に反映され自由に使うことが出来る。スワップ金利も同様に自由に使うことが出来る。日々自己口座に為替差損益もスワップ金利も反映されるので、すべて雑所得として課税されることになる。
課税方法の基準は変動差益やスワップ金利が自己口座に即反映され自由に使えるかどうかがである。自由に使えるものには課税されることとなるのが原則だ。
なお取引所取引のクリック365は1.の課税方法となり税率が一律20%となる。
* その他
為替取引の申告がやっかいのなのはこのように同じ商品であるのに税率や課税方法が業者によって異なることだ。株の取引のように統一されることを望みたい。また雑所得ではなく10%あるいは20%で一律固定されれば市場への信頼感も増して取引量も拡大し、為替市場も盛り上がり、業界も反映、結果的に税収も増えることになると思うがその取り組みは何故か進んでいないようだ。
現状として口座開設前に業者のホームページで課税方法を確認すべきだろうが、業者も取引手法などの説明は積極的でも最初から税金の説明はしていないところが多い。業者のホームページで税金について書いてある部分を探しにくいところも多いようだ。ただ最近は業者でもFXの税金のセミナーなどを開催して理解を深めているところもある。税率、課税方法が統一されればそれも省略されることになるのだが。
*現状では一人一人の状況により、課税方法や必要な書類は異なる場合もあるので、詳細につきましては、管轄の税務署等にお問合せ願いたい。



