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2007年10月 過去の記事

2007年10月07日

円はドル安でもドル高でも円安

今週の重要イベント「利上げしたい日銀の動向」

10月8日(月)-10月12日(金)「今週の戦略」

今週の私の戦略(円はドル安でもドル高でも円安)

予想レンジ(ドル円115.50-118.50 ユーロ円 164-167)

1.今週のマーケット「日銀が利上げしても円安」

 日銀政策決定会合がある。日本よりも成長率、インフレが高いオーストラリア、ECB、英国が金利据え置きをしたこともあり、日本が利上げをすることはないだろう。今年は日本の株式市場は世界でも数少ない下落市場、物価も低下、それに9年連続の賃金低下がある。

 日銀は常に将来の物価上昇を主張するが、なかなか上昇しない。百歩譲って上昇したとしても、それは外部要因によるものだ。インフレというのは賃金の上昇をともなっていなければならない。賃金が上昇しないのに外部要因でがガソリン、食料品、タクシーの値上げ、消費税、住民税の引き上げ、社会保険の負担増と不安な年金支払いがある。そこで利上げをすればさらに日本の個人の可処分所得が減少する。

 財務省出身で元金融政策に関する小委員会の委員長であった自民党山本幸三議員の利下げ論も納得出来る。日銀は利上げしたいようだが、2月利上げ後の弊害も出ている中でさらなる利上げは大きな弊害をもたらそう。万が一利上げをすれば一瞬円高に振れてもその後の長期的な円安に繋がっていくだろう。

 日本は中国のような高度成長国でもないし、欧米のようなインフレをともなった中成長国でもない。何故インフレにならないかと言えば現状の物価や国民負担(税金+公共料金+社会保険料)が他国比高すぎることだ。GDPにくらべ国民の生活に余裕が無い国だ。

 今週の注意点としてはユーロ当局がG-7へ向けてユーロ高けん制を出すかどうかだろう。
 

 「注目指標」

8(月)独 製造業受注、ユーロ当局がG-7へ声明(ユーロ高について)
9(火)景気ウォッチャー調査、独 国際収支、鉱工業生産、FOMC議事録
10(水)日銀政策決定会合、
11(木)豪 雇用統計、日銀政策決定会合、機械受注、マネーサプライ、国際収支、金融経済月報、ECB月例報告、2Qユーロ圏GDP確報、  貿易収支、失業保険、南ア政策金利
12(金)NZ 小売売上、日 企業物価指数、消費者態度指数 ユーロ圏 鉱工業生産、米 PPI、ミシガン大消費者信頼感指数

2.高金利特集「おまけをつけて戻ってきた」

 今夏のサブプライムローン問題もなんのその、10月に入りカナダ円は7月の高値118円20銭を超え119円24銭をつけた。夏の下げは証拠金が2,3倍のスワップ適格ポジションでも気分は悪かったと思うが、いまや3ヶ月分のスワップ金利というおまけをつけて戻ってきた。
 他のクロス円もカナダ円の戻しには及ばないがそれなりにスワップのおまけをつけて戻ってきている。黄昏のドル円さえも少しは回復してきた。

 ここ約10年のクロス円はスワップ金利はもとより、それを上回るくらいの為替変動益ももたらしていた。為替は高金利を買ってさえ得れば大儲け出来るような認識さえ生まれていた。2005年末のニュージーランド円が87円から67円まで下落したこと、今夏のサブプライム騒ぎでの急激な円高もあったが、時間が経てば、それくらいの円高差損はスワップ益が取り戻してくれる。為替の収益は変動益とスワップ益からなるが、その二つの収益の時間軸はまったく異なる。ウサギとカメのレースのようだが、時間が経てばカメが大きな差をウサギにつけてしまう。ここ10年はスワップ派ではオマケの収益とすべき為替変動益も大きくついてきたが、急激な円高はつきものと思い、それに動じないレバレッジで取り組みたい。

もちろん為替変動益狙いの取引を否定するべきものではなく、それはそれで大きな収益源だ。ただ変動狙いも儲かるが、かなり生活をそれに割く時間が必要だ。また米国雇用統計などの単発のビッグイベントでその日限りの単発勝負などには利用できる。 スワップとデイトレは別勘定で。

3.為替と野球「学生運動のエネルギーがある国へ投資」

 学生運動の盛んな国の株式市場はその後大きく伸びると聞いたことがある。ただ学生運動が起きた時は悲劇も伴っているが、それは悲しいことだが今回は別にしたい。

 日本でも安保反対闘争が1960年、1970年とあった後に高度成長となった。タイなどもここ数年学生のデモもあったが、株価は史上最高値を更新している。中国の天安門事件も記憶に新しい。その後の中国の高度成長と株価の暴騰ぶりはすさまじい。南アフリカもソウェト蜂起を始め70年代80年代が学生が反政府デモを繰り返していた。

 学生の純粋な正義を求めるエネルギーがその後社会にでても継続し国の発展に繋がるのだろう。ミヤンマーでも反政府デモがあったがこれが良い方向に向かうことを願いたい。ミヤンマーには米、チーク材、原油、天然ガスなどの豊富な資源もあり一旦方向性が変わると大きく伸びる可能性がある。今は軍部がその利権を握っている。さて学生運動など縁のない日本ののんびりした学生だがそれが社会に持ち込まれていくとすれば日本の成長ものんびりとしたものになりそうだ。

2007年10月14日

インフレ懸念で欧州金利下げられず

今週の重要イベント「インフレ懸念で欧州金利下げられず」

10月15日(月)-10月19日(金)「今週の戦略」

今週の私の戦略(ドル円は一目の雲の上へ)

予想レンジ(ドル円116-119 ユーロ円 165-168)

1.今週のマーケット「今週もG-7も盛りだくさん」

 G-7間近である。運動会の前のような高ぶりかもしれないが、それが終われば次は米国FOMC、GDP3Q、日本の政策決定会合も控えている。為替はエンドレスだ。

 G-7はユーロ高や円安の為替の議論が出来るかどうかと思えるほど議題は多い。いまだ毎日通常の10倍以上の巨額資金供給を続ける米国FRBからその深刻さが伝わってくるサブプライムローン問題、ヘッジファンド規制問題に、中東や中国などの公的運用機関のファンド問題、サブプライムローン問題にも関った格付け機関問題(彼らが最上級の買格付けをしていた為に投資家がサブプライム証券を安心して購入していた)。保護貿易問題、エネルギー問題、IMF改革もある。人民元もとりあげなくてはいけない。前回G-7の為替については「リスクを勘案しなければならない」という趣旨の声明に終われば、ややサプライズで為替相場は再びドル安円安の方向へ向かうだろう。ユーロ安にはドイツなどのインフレ懸念派が反対するだろう。円高は円高で現在2Qマイナス成長、株価、物価、賃金低迷の日本には苦しい。なかなか簡潔な文言で為替を取りまとめるのは難しい。

 ただ世界にインフレ懸念が残っているのは事実で最近もエネルギー価格、CRB指数が上昇している。簡単には金利は各国下げられない。そうなればやはり高金利通貨に投資が向かうだろう。米国のサブプライムローン問題による信用収縮にあまり配慮しなかったスイスや南アフリカは利上げをしたが、これは据え置きをしたECBやRBAの本音でもあろう。さらにサブプライムの影響が自国にはないと見た国から利上げをしてくるだろう。円は利上げをしてもその速度は遅く値幅は小さくなる。日本は大きな指標もマチマチであり、中小企業や地方の景況感も良くない。テクニカルではドル円が一目均衡表の雲の上に出るかがポイント。

また今週も盛りだくさんで米国はバーナンキ、ポールソン両巨頭の講演、CPI、住宅着工がある。日本は日銀支店長会議で都会と地方の格差が取上げられるか。ユーロ圏もCPI、NZは25日の政策金利決定のヒントとなる3QのCPIの発表がある。米国はまた銀行の決算があるがシティーバンクは既に10月1日に1-9月は前年同期比6割の減収と予想を発表している。前年同期は55億ドルの純利益。サブプライム評価損で損失が13億ドルとなるそうだ。
 
 「注目指標」

15(月)NZ3QCPI、日銀支店長会議、中国共産党大会、米 NY連銀製造業景気指数、バーナンキ議長講演、ポールソン財務長官講演
16(火)独&ユーロ圏 ZEW景況感調査、ユーロ圏CPI、米 対米証券投資、鉱工業生産、設備稼働率、カナダ中銀政策金利
17(水)日 第3次産業活動指数、米 CPI、住宅着工、建設許可、ベージュブック
18(木)ユーロ圏貿易収支、建設支出、米 失業保険、景気先行指数、フラデルフィア連銀景況指数
19(金)日 全産業活動指数、独 PPI、バーナンキ議長講演、G-7、IMF総会

2.高金利特集「官製の不景気」

 ちょっと気になることがある。10月から金融商品取引法の施行で投信の売れ行きが鈍っているとのこと。7月から投信残高は減少しているが外貨投信は35兆円と横ばいなのでここまで影響してくると円安の需給が変わってくる。証券会社などリスク商品を取り扱っている業者の収益も落ちてくる。また7月8月は日本の住宅着工もそれぞれ前年同月比ー23.4%、-43.3%と落ち込んでいる。米国のサブプライムローン問題での住宅落ち込みどころではない。これは建築偽造問題が相次いだので改正建築基準法が施行され建設が遅れているからだ。

その他、タクシー料金の値上げ、増税などの国民負担の増加、食パン、インスタントラーメンなどの食料品の値上げなど給与が上昇せずに価格だけが上がる状況だ。公的な制度中心に市場の需要が強くなっているわけでもないのに値上げされては可処分所得も減ってくる人が増えよう。これで物価が上昇して利上げをすれば一瞬円高になっても長期的には景気低迷が続き円安要因となろう。
 
3.為替と野球「銀行は不動産さえやらなければ大儲け」

 日本のみならず大きな金融危機は銀行の不動産貸付の破綻から来ることが多い。日本のバブル崩壊や今回のサブプライムローン問題だ。1990年初頭の米国金融危機もS&Lという米国の地方金融機関の不動産投資の破綻、同時に英国やオーストラリアでも不動産投資での金融危機が起こった。

 銀行さえ過剰な不動産投資を行わなければ危機は起こらない。銀行はその度巨額の損失を出したり、公的資金を受けたり、各国金融当局の資金供給を受ける。銀行は何もしなければリスクをとらなければ自然と儲かるシステムなのだ。為替の分野に限って言えば、手数料をドル円で片道1円、現金では3円、ポンドなどでは片道4円、現金では8円もとる。デイトレーダーが10,20銭をとるのに汲々としているのに1円から8円を手数料で糸も簡単に稼いでいく。これは金利手数料や種々雑多な手数料でも同様だ。リスクをとらなくても膨大な手数料が稼げる。リスクをとると破綻し税金も投入される。誰でも出来る手数料商売だけで儲かるのだから余計なことはせずにいればいいと思う。でもそれで収益を上げるというのはおかしく、ガス電気料金のように一律安い料金に固定させるべきだろう。FXの手数料に近づけるべきだ。

 


 

2007年10月21日

ドル安でのG-7とその限界

今週の重要イベント「ドル安でのG-7とその限界」
10月22日(月)-10月26日(金)「今週の戦略」

今週の私の戦略(円高になれば日本は景気低迷へ)

予想レンジ(ドル円113-116 ユーロ円 162-165)

*今週のマーケットG-7特集「ドル安でのG-7とその限界」

 
(ドル安継続)

 G-7とは関係なく今まで通りの米国景気低迷でのドル安が継続する。円については、あまり脈絡はないが人民元のさらなる上昇を望むことで、連れ高にしたい思惑があるかもしれないが、IMMの円売りのポジションがゼロくらいなるところくらいが限界だろう。6月の18万枚(180億ドルの円ショート)がゼロになるのに約10円の円高だったので現在4万枚のショートなら2、3円の円高がメドだろう。


(ドル安での人民元高は効果なし)

 さて為替の声明ではユーロ高も円安も取上げられなかった。ファンダメンタルズ重視のG-7ではファンダメンタルズに合致してるが行き過ぎだけでは声明にはのせられないのだろう。中国は貿易黒字と人民元半固定相場ではファンダメンタルズに合致しないので取上げられた。

ただドル安の中で人民元を少し強くしてもまったく効果はない。全体としては対ユーロでも対円でも人民元安が続いてしまう。恩恵を受けるのは対ドルだが、米国は中国が作っている商品を製造していないので不均衡是正ではまったく意味がない。

(円は無視)

 円のことがとやかく言われないのは少しずつ無視されているような気がする。損切りで円は買えても、長期投資してリターンが望める通貨ではない。財政赤字、増税、高齢化、物価低下、賃金低下、公共料金引き上げではあまり楽しくない通貨だ。

(投資したい国は不変)

 米国も苦しく株価下落の物価上昇だ。やはり投資したくなる国はBRICs、VISTA、NEXT11、拡大ユーロ、アフリカなどだろう(重複するが)。さらにはそこへ資源供給できる資源国だろう。

 中国はGDPでもいずれ日本を抜くだろう。購買力平価GDPでは既に抜いている。ただ一人当たりGDPでは日本が3万ドルを超えているのに対し、中国は2000ドル未満。まだまだ上昇余地がある。日本を越えて始めてバブルと言えば良いだろう。

 ただその日本も一人当たりGDPは既に世界で15位以下である。さらに増税が控えている。他国は税金は高いがそれで社会福祉を賄っている。

(中国には遠慮)

 中国に対し人民元上昇へ少しトーンが強くなった(中国の柔軟性は歓迎と持ち上げているが)が、1985年のプラザ合意では「為替レートが対外インバランス調整する上で役割を果たすべき。非ドル通貨のいっそうの上昇が望ましいときは促進するよう密接に協力する(介入する)」としていた。もっと強かった。また中国は円高にしても世界の不均衡が改善しなかった、いや悪化したことを上げて、人民元の急速な上昇を避けている。そんなことで景気の腰を折ると、中国のみならず、世界中が破綻してしまうだろう。今はまだまだ続く中国特需で世界が潤っている。

(G-7での限界)

 サブプライム、格付け機関、ヘッジファンド、国営ファンド問題は議論しただけということだろう。ただ世界協調資金供給をしたことは自画自賛した。米国の変調は回復していないが。エネルギー問題などは議論しても仕方がない、効果がない。また中国やOEPCが参加していないG-7では影響力がない。 


(日本の赤字)

 1985年のプラザ合意では日本の財政赤字の削減を求めていたが、改善はまったくなく悪化している。G-7の限界。ユーロでは財政赤字が増加すると罰則があり規律が重視される。日本は赤字放置。これが日本の格付けの低い原因でもある。イタリアを除くG-7諸国は最上級格付け。日本はチリ、ボツアナに追いついた段階。格付けからは円安当然。 これが日本の格付けの低い原因でもある。

 「注目指標」

22(月)豪3QPPI、
23(火)米 リッチモンド連銀製造業指数
24(水)アジア欧州会議(北京)、豪3QCPI、日 貿易統計、ユーロ圏経常収支、米 中古住宅販売、
25(木)RBNZオフィシャルキャッシュレート、日 企業けサービス価格、ECB理事会、独 IFO景況指数、、米 失業保険、耐久財受注、新規住宅販売
26(金)日 CPI、鉱工業生産、独 GFK消費者信頼感指数

2007年10月28日

日銀、展望リポ、米GDP、FOMC、米雇用

今週の重要イベント「日銀、展望リポ、米GDP、FOMC、米雇用」

10月29日(月)-11月2日(金)「今週の戦略」

今週の私の戦略(本流の円安へ)

予想レンジ(ドル円113-116 ユーロ円 163-166)

今週のマーケット「日銀、展望リポ、米GDP、FOMC、米雇用」

 31日が忙しくなる。日本は日銀政策決定会合で据え置き予想だが、ダメ押しなのか前もって額賀財務相、大田経財相、町村官房長官が「デフレ脱却は完全ではない」と釘をさした。こうなれば政策決定会合は形式的なものに過ぎなくなる。さらに日銀展望リポートは世界経済の不透明さを取上げるが、日本の物価低迷や住宅着工の激減(改正建築基準法での審査厳格化の影響)もあり、日本自体も安心できる状態ではない。また増税の話がアチコチから聞こえてくるのも明るい話ではない。このままだと2050年には財政赤字がGDPの4倍の2000兆円になるからだ。

 同じく31日には米国では3QGDPの発表がある。予想は3%であり、これならそれほど悪くない。やはり元凶はサブプライムローン問題だけだ。これだけで利下げとなってしまう。FOMCは同日午後なので日本時間11月1日未明となる。米国も格差があり、ハイテク産業は好調だ。サブプライムでの利下げは好調な産業をさらに後押しするので株価も思ったほど下がらない。米国より心配なのは上述したことに加え国会も混乱することが予想される日本ではないだろうか。

 経済運営ではやはり日本は欧州や資源国に見劣りする。円高への調整は一時的に起こってもここ10年近く続いている日本と米国以外の海外とのファンダメンタルズ格差、金利格差、政治格差から見れば本流の円安へ戻ってしまう。 

 P.S.(日本の住宅着工の数字も注目したい。6月+6.0%、7月-23.4%、8月は-43.3%と激減。9月予想は-32%の予想だ。数字だけ見ればサブプライムローンの米国より悪い。審査が厳格となった改正建築基準法の影響だ。また最近は金融商品取引法の施行で投信販売が減少している。景気は金利の上げ下げより一本の法改正で変わってしまう。バブル崩壊させたのも土地取引の規制がきっかけであり金融引き締めではなかった。当時は金利は株価が暴落しても引き上げられていた。金利より法改正の影響が大きい。) 

 「注目指標」

29(月)NZ 貿易収支、日 小売統計、
30(火)NZ 住宅建設許可、日 雇用統計、全世帯家計調査、独 雇用統計、米 消費者信頼感指数、
31(水)豪 住宅建設許可、、日銀政策決定会合、展望リポート、住宅着工、介入状況、ユーロ圏消費者信頼感指数、失業率、米3QGDP、個人消費、FOMC、ADP雇用者数、シカゴ購買部協会景気指数、建設支出
1(木)独 製造業PMI、ベイ ISM製造業指数、
2(金)日 マネタリーベース、独 小売売上、米 雇用統計

2.高金利特集「高金利通貨軌道に乗る」

 先週は高金利通貨は快走した。サブプライムローン問題やG-7で円安が批判されるなど何か特別なことが起きないと元の円安に戻ってしまう。放っておけば円安が進むのは仕方がない。中国の高成長の恩恵を最も受ける資源国群。ニュージーランドも農産物を輸出出来る。さらにいずれもコアインフレが高く金利は引き下げられない。南アフリカは10.5%へ利上げ、11月7日に金融政策決定会合があるオーストラリアも利上げの予想が高まっている。ニュージーランドはその両国よりも利上げ予想は低いが、まだまだ雇用の逼迫感、食料品やエネルギー価格の上昇があり利下げも出来ない。先進国で8%以上の高金利は魅力がある。

 今後も高金利通貨の対円ポジションはサブプライムローン問題、円安批判、人民元の切り上げなどのあまり論理的でないムードだけのニュースで時折円高に振れようが、それは短命であり、本流ではない。その理由は成熟期から老年期へ向かうが財政赤字を持つ日本と、成長期にある中国から恩恵を受けられる国との差だ。どこまで続くかと言えば中国の一人あたりGDPが世界水準となるまでだろう。中国の一人当たりのGDP現在は世界で30位以下だ。まだまだ発展途上でバブルではない。


3.為替と野球「最後はどうなるのか」

 改善する見込みのない米国貿易赤字と日本の財政赤字。どこまでもドル安円安が続くと思ってしまう。ドル円の相場はドル安と円安の引き合いで行ったり来たりするが、クロス円はまだまだ伸びる。日米のファンダメンタルズが画期的には良くなる見込みはない。何十年も貿易赤字を拡する国と財政赤字を拡大する日本。一方派手さはないが堅実でかつユーロ通貨圏を拡大するユーロ諸国や中国を始めとする新興国の成長で恩恵を受ける資源国。日米とユーロ&資源国の差は今後も拡がっていくだろう。

 ただこのような為替の変動はEMS時代の最強通貨のマルクと最弱通貨のイタリアリラでも見られた。何度もEMS内でマルクの切り上げやリラの切り下げで調整したが、最後はリラのEMS離脱となってしまった。その後の解決策が通貨統合であった。

 いつまでもドルが安くなったり円が安くなってはいけないが為替の需給が変わるわけでもないので最後の解決は政治が介入するしかない。通貨の究極の安定は介入によるものではなく固定相場にすることだろう。ユーロに加盟あるいは新通貨を作って統合することだ。それには物価や金利、財政赤字などで基準が設けられる。その基準をユーロにとるなら、今でも多くの国が加盟できる。シンガポール、オーストラリア、ニュージーランドいやアメリカだって難しくはない。ただ日本だけが財政赤字ではとんでもない落第点をつけられる。円は統一通貨をつくるにも参加が難しい国だ。