« 2007年03月 | メイン | 2007年05月 »

2007年04月 過去の記事

2007年04月01日

CPI低下の後、短観悪化で円ジリ安か

今週の重要イベント「CPI低下の後、短観悪化で円ジリ安か」
4月2日(月)-4月6日(金)「今週の戦略」

今週の私の戦略(CPI低下の後、短観悪化で円ジリ安か)

予想レンジ(ドル円116-119、ユーロ円156-159)

☆4月7日(土)に横浜ワールドポーターズで為替セミナーを開催致します。ぜひご参加ください☆

1.今週のマーケット「短観、テクニック、新年度」

 新年度。個人は関係がないが、輸出、輸入、生保、年金、郵貯、簡保などは新たな運用計画を立てる。金額、通貨ごとに予約を早い目に取るか、遅い目にとるか、オプションをどう活用するかなどを決定する。その動向は為替情報社や新聞などで報道されるので追って行きた
い。外貨投信に証拠金が加わって個人の外貨投資が急増、年金などの外貨投資も漸増するだろう。一方かつての外貨投資の雄であった、民間生保や郵貯、簡保は運用方針も消極的なものとなりそうだ。今や外貨投資は個人マネーが中心だ。

 新年度は4月2日(月)の日銀短観に始まる。2月CPIが低下したこともあり、短観も予想通り、若干の悪化を見せれば、利上げの話題は遠のくだろう。少なくとも5月の1QGDP発表まではクロス円の円売り安心感がでるのではないだろうか。また今週はオーストラリアの政策金利決定ある。予想通り引き上げられればクロス円も強まるきっかけとなる。

 ドル円の一目均衡表の雲の下限の118円30銭あたりがここ3週間の抵抗となっていたが、今週からは雲が極めて薄くなる。遅行線も26日前のスポットを上回り、ドル円もジリ高推移のチャンスはあろう。ボリンジャーバンドでは115円50銭と119円30銭あたりのバンドにある。

 米中貿易摩擦やイランの英兵拿捕の展開などの波乱要因はある。また政治的には温家宝首相の訪日もあるが、日本のアジアでの存在感低下に繋がらなければいいと思う。統一地方選も注目したい。


 「注目指標」

2(月)日銀短観、豪 小売売上、住宅建設許可、米 ISM製造業景況指数 
3(火)日 マネタリーベース、豪 貿易収支、ユーロ圏PPI、
4(水)RBA キャッシュターゲット、ユーロ圏 小売売上、独 製造業受注、米 ADP雇用指数、製造業受注、ISM非製造業景況指数
5(木)BOE政策金利、米 失業保険
6(金)日 景気動向指数、米 雇用統計

2.高金利特集「ドル円とクロス円の動きの違い 」

 2月始めのG-7や世界同時株下げでドル円は下落した。世界同時株下げでは121円63銭から115円15銭まで下落したが、いまだその半値の118円39銭まで1ヶ月以上たっても戻らない。しかし、同期間をクロス円で見ると、例えば豪ドル円では2月G-7の水準を超え、またほぼ世界同時株下げ前と安値の半値戻しを超えるどころか、同時株下げ直前の水準に迫ろうとしている。

 やはり1985年以降20年間は円は常に独歩高でドル円でもクロス円でも超円高推移してきたが、2000年以降は、ドル上げ、ドル下げにかかわらずクロス円では円安傾向となっている。今回のG-7や上海発世界同時株下げでもそれが証明された。ドル円については米国景気の弱さで下落することはあるが、クロス円は安定から上昇傾向は続くだろう。少し下落したとしても金利収入が意外と短期間で賄ってくれる。原因は中国の台頭による日本のアジアでの地位低下(貿易収支の観点から)と、団塊世代の退職金マネーの外為市場参入だろう。
  
3.為替と野球「為替発祥の地、横浜でセミナー」

 4月7日(土)に横浜ワールドポーターズでセミナーを行なう。横浜は為替発祥の地であり、為替にまつわるものが多く残っている。最初に為替取引を行ったHSBC銀行の記念碑は産貿ホール前にある。そこから桜木町方面へ伸びる弁天通りは当時の花形輸出産業であった生糸業者が店を構えていた。豪商と呼ばれる原商店や茂木商店は野毛山の豪邸に住んだ。本牧の三渓苑は原家の屋敷であった。開港当初は外国為替取引は外銀に独占されていたので福沢諭吉らが発起人となり、外為専門行を横浜に設立した(横浜正金銀行)。現在は神奈川県立歴史博物館として馬車道に残り2階には展示室がある。横浜正金銀行はその後HSBCやスタンダードチャータード銀行と並び世界三大為替銀行と称されたが、戦後は独占機関として解体された。外国為替市場取引の6割を占め政府の為替介入も横浜正金銀行を通じて行われた。日露戦争の戦費を外債発行して調達したり満州国の紙幣も発行した。

 また忘れてはならないのは、今も町名や駅名に残る高島嘉右衛門だ。横浜に鉄道を開設したりガス会社を興したことで横浜の父と呼ばれ有名だが日本初の為替ディーラーでもあった。金と銀の取次ぎを行っていたが、幕府が金の海外流出を防ぐために禁止した後も取引した為一時牢獄に入ったこともあった。

 また開港時からの戦前までの外国為替関連の文書も、歴史博物館の図書室や県立図書館や市立中央図書館で目にすることが出来る。開国、貿易の歴史の社会見学にも山下町、中華街、山手などの散策はうってつけだ。税関、大手船会社、洋館などをめぐれば異国の雰囲気を十
分味わえる町だ。

2007年04月08日

円安継続=G-7は前回踏襲か

今週の重要イベント「円安継続=G-7は前回踏襲か」
4月9日(月)-4月13日(金)「今週の戦略」

今週の私の戦略(円安継続=G-7は前回踏襲か)

予想レンジ(ドル円118-121、ユーロ円158-161)


1.今週のマーケット「統一選、日銀、G-7」

 まもなく統一地方選挙の結果が発表される。安倍政権で注目されるのは北海道、岩手、東京、神奈川、福岡などでの民主党との決戦となる都道府県だ。いまだ小泉政権の遺産政権の印象もあり、支持率も低下中の安倍政権も一矢報いたいところだろう。政治的には今週は温家宝首相の来日、月後半には安倍首相の訪米や訪中東がある。日本の外交でのプレゼンスが低下していることも円の地位低下にも繋がっている気がする。

米国景気はサブプライム問題も含め住宅投資の不透明感もありマチマチだが、日本の方がもろい数字が出ている。CPI低下、短観悪化、景気動向指数の低下などだ。米景気減速、世界同時株下げの影響が欧州でも、米国でもなく日本に一番出ているとするのは言いすぎだろうか。月、火の日銀会合でも利上げには強くは言及出来ないだろう。

 一方ECBは5月理事会にて利上げ予想が高まってきている。また中国株の再騰に象徴されるように中国景気の底堅さによる資源市場の強さによる豪円、NZ円の上昇にユーロ円も追随してきた。

今回のG-7は2月G-7ほど盛り上がっていない。ドル円が先週119円台にのせたとはいえ、まだ前回から比べれば円高だ。日本も今回は利上げに応じられる状況ではない。国ごとの見通しでは米国が若干下方修正程度、他国は前回と同じだろう。中国も前回の声明どおり抑制策は実施している。前回斬新であった「市場参加者はファンダメンタルズに沿ったリスク評価をする=言外には円キャリーもほどほどに」は今回も挿入されるだろう。クロス円の円安を調整する具体的な手段はとりにくいし、ドル円も安定しているので過激な声明にならず、前回踏襲、様子見声明となり市場への影響は小さいだろう。
G-7をやるたびに変動が大きくなればG-7の本来の目的から逸脱するだろう。今週も円ジリ安が続くとみたい。ドルも雇用統計の改善だけでは物足りない。次週の住宅着工やCPIを待たねばならない。
 
 「注目指標」

8(日) 統一地方選
9(月)日銀会合、景気ウォッチャー調査、
10(火)日銀会合、日銀月報、独 国際収支、
11(水)日 機械受注、マネーサプライ、国際収支、独 CPI確報、中国首相来日
12(木)日 企業物価指数、豪 雇用統計、ユーロ圏 4QGDP改定値、鉱工業生産、ECB理事会、米 失業保険、
13(金)NZ 小売売上、米 貿易収支、PPI、ミシガン大消費者信頼感指数,G-7


2.高金利特集「通貨の略称について」

①スイスフランはCHFと短縮されるが それは Confederation Helvetica Franの 略
スイス連邦フランということで Confederationは連邦、Helveticaは昔スイス地方に住んだガリアの一種族の意味で スイスのこと、スイスフラン硬貨にはそれが刻まれている。

②南アランドはZARと短縮される。 Zuid Afrikaansche Republiek の略 アフリカーンス語の語源であるオランダ語に近く「南アフリカ共和国」を表す。 南アは当初オランダの殖民地であり、その後英国領となった。オランダ系アフリカーナは北へ追われトランスバール共和国、オレンジ自由国を設立した。ダイヤが発見されて英蘭の戦い(ボーア戦争)があった。 英国の勝ち。

③ポンドが愛称ケーブルと呼ばれていることは有名で それはかって外国為替が「電報」(ケーブル)で行われていた時代の名残である。 しかしポンドを操作することは非常に難しく儲けにくいことから私の以前在籍していた邦銀では 嫌われる通貨で蔑称 「ポン助」と呼ばされた。

④スポットカナダをファンズと呼ぶのは 米国の国内資金市場(日本のコールにあたる)フエッドファンズの決済日が翌日であり、 為替においてカナダドルも決済日が他の通貨の2日後でなく 翌日であることから ファンズと愛称的に呼ばれることになった。

3.為替と野球「高島嘉右衛門=日本初の為替ディーラー」

 昨日の横浜セミナーでも触れたが、高島町の地名でも残っている、新橋ー横浜間の鉄道敷設、ガス灯会社設立などの貢献で「横浜の父」と呼ばれる高島嘉右衛門は日本初の為替ディーラーでもあった。高島歴の暦でも有名な人物だ。

為替相場は横浜開港とともに始まったが、占いも横浜で始まった。高島嘉右衛門は実業界から身を引くと易学に専念した。1886年(明治19年)に「高島易断」を著した。伊藤博文の暗殺を予言し伊藤に進言もしたと言う。 現在では株の相場でも高島暦がありそれを市場が異なるのに為替に当てはめると案外当ってた時期があったので為替ディーラーも使い始めていた。高島暦市場版はどこの書店にも置いてあるわけではなかったので数少ない販売店の一つであった新橋駅前の墓石屋さんには突然注文が殺到した。私も海外支店からの要望もあり20冊を一度に購入に訪れたが店員の方も「最近なんでこんなに売れるのでしょう。」と不思議がっていたようだ。 その高島嘉右衛門は日本発の鉄道(横浜―新橋)の建設にあたり入り江であった今の高島町を埋め立てたり、日本初のガス灯を横浜に設置し手腕を発揮した。青木橋北あたりの高島山公園には記念碑が残る。 またホテル業も起こし明治の女フィクサー富貴楼「お倉」のライバルの「高島屋」を設立した。(そのお倉も横浜で活況を呈した生糸相場の天下の生糸相場師「糸兵」に指南したと言われている。)

 なお現在高島易断を名乗る占い師は多いが嘉右衛門に直接の弟子はいないそうだ。現在の占い師は中国4千年の歴史と説くが明治時代の「高島易断」を占いの種本としているに過ぎない。尚高島嘉右衛門のお墓は四十七士の品川泉岳寺にある。


2007年04月15日

ドルを除く高金利買い継続

今週の重要イベント「G-7より=ドルを除く高金利買い継続」

4月16日(月)-4月20日(金)「今週の戦略」

今週の私の戦略(G-7より=ドルを除く高金利買い継続)

予想レンジ(ドル円118-121、ユーロ円160-163)


1.今週のマーケット「G-7より=ドルを除く高金利買い継続」

先週のリポートで申し上げたようにG-7声明は概ね前回2月G-7踏襲で現状相場容認となった。ただ声明の準備を始めた1ヶ月前はドル円は117円台、ユーロ円は150円台前半だったので前回G-7よりも円高だったのでそれほど深刻ではなかったかもしれない。

 違った点は米国経済が「堅調」から「緩やか」になり米国の景気減速が公認のものとなった。ドル安は今に始まったことではなく、円以外ではここ5年続いているがそれにお墨付きが与えられたもの。

 中国に関しては前回の「中国の均衡のとれた成長を促すコミットメントを歓迎」は削除されたが財務相、人民銀行総裁が欠席したので当然だろう。「人民元の実効為替レートが必要な調整が進むこと」は前回同様、声明に取上げられた。

 市場が過度なリスクを取らないことが前回同様盛り込まれたが具体的ではない。

世界経済がそれなりに成長している、30年間で一番力強いとされたことからも、為替などの動きは重要視されなかった。ドル円は概ね想定レンジの105-125で問題なしとされたのだろう。クロス円の円安は批判はあったのだろうが、それが各国経済へ大きな影響を与えているわけでもなく、対ドルと異なり具体的に調整しにくい。

 投資としてはドルを除く円売り高金利買い継続でいいと思うが、はしゃいで買い上げることなく、押し目買いや、一定期間ごとに買うなど計画的に積み上げていけばいいと思う。
 
 「注目指標」

16(月)ユーロ圏CPI、米 小売売上、NY連銀製造業景気指数、対米証券投資、
17(火)日 消費者態度指数、独&ユーロ圏 ZEW景況感指数、ユーロ圏貿易収支、米 CPI、住宅着工、建設許可、鉱工業生産、設備稼働率
18(水)NZ 1QCPI、
19(木)日 第三次産業活動指数、独 PPI、ECB月例報告、 米 失業保険、景気先行指数、フィラデルフィア連銀景況指数
20(金)日 全産業活動指数、

2.来週の相場「米国のスタグフレーションをチェック」

世の流れは米国景気減速がテーマでドル安となっている。4月に入ってからもドルは円以外に対してはドル安相場が続いている。景気減速でもインフレ懸念が強いという矛盾があるからだ。今週は火曜日の3月米国住宅着工とCPIにどうコントラストが浮かび上がるかを注目したい。住宅着工は150万件の予想、CPIは+0.6%、コアが+0.2%である。

 円については引き続き、個人投資家中心に投信中心に高金利通貨買いが入り、それがドル円を支えるだろう。生保、郵貯、簡保は外債投資への意欲は新年度も見られないが、公的年金はコンスタントに外貨投資を続けよう。

 月曜日のユーロ圏CPIと木曜日のECB月例報告では5月あるいは6月の利上げをチェックしたい。

3.為替と野球「国際収支と野球」

 為替相場の取引を始めると、国際収支動向などが気になる。対外経済取引はすべて国際収支のうち、経常収支か資本収支のどこかに計上される。最近では松坂投手、井川投手、岩村内野手などの入札金がメジャーの球団から日本の各球団に支払われるので、それは国際収支のどの項目に計上されるのだろうかと興味を持った。松坂が60億円、井川が15億円、岩村が5億円と聞いている。

 合計80億円、年収600万のサラリーマンの1333人分は経常収支のサービス収支、その他サービスに計上される。そこには特許使用料、その他営利業務、文化興行などがあるが、その他営利業務に計上されるのだろうか。

 それらの金額がドルで支払われようが円で支払われようが国際収支には計上される。通貨が何であるかとか、いつ為替取引が行われるかは関係がない。居住者と非居住者の取引はすべて発生時点で計上される。為替取引を予約を使って前もって行うとか、ドルのまま保有して将来為替取引をすることは計上には関係がない。

 また日本の球団が外人選手に国内で給与をドルで払おうが円で払おうが、これは居住者同士の取引なので計上されない。その外人選手が改めて海外送金する時に始めて国際収支表に計上される。

2007年04月22日

日銀展望リポート軸にイベント目白押し

今週の重要イベント「日銀展望リポート軸にイベント目白押し」

4月23日(月)-4月27日(金)「今週の戦略」

今週の私の戦略(日銀利上げに神経質だが円売り継続、豪ドルー少し注意)

予想レンジ(ドル円117-120、ユーロ円160-163)


1.今週のマーケット「日銀展望リポート軸にイベント目白押し」

今週も結構な催しが多い。ドル円でのドル安を予想する向きも多いが、ドルは円以外に対しては毎年下落してるので今をなにさらという感じもする。円の弱い基調を覆すものがあるのだろうか。もちろん日本の貿易黒字という問題はあるがそれはもっと長期に渡る話だし、現在黒字は減少傾向だ。

 さてその日本は参院補選、日銀政策決定会合、日銀展望リポート、家計調査、CPI、雇用統計などがあり、日米首脳会談、中東訪問へと続く。注目の日銀の金融政策については米情報社の利上げ前倒し対して、読売新聞が27日に発表する「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)で追加利上げ時期を予想する上で市場の注目度が高い消費者物価指数の上昇率見通しについて、7年度は0.3%前後、8年度は0.6%前後の数値を示す方向で調整していると報道した。日銀は昨年10月に発表した前回リポートで、7年度の消費者物価上昇率を0.5%と予想していた。実際には、原油価格下落の影響などから伸び悩み、今年2月にはマイナス0.1%まで落ち込んでいることから、予想を引き下げるとしている。日銀がいずれ利上げしたとしても後述するように他国はそれ以上のペースで利上げしているので金利差は縮小しないだろう。

 ユーロ圏は独IFO指数やECB理事会があるが、今まで通り、穏やかな成長とインフレ懸念に関する発言が繰り返されるだろう。米国はベージュブックで減速からマチマチの経済状態をチェックし、週末には4Qから減速すると見られる1QGDP(予想+1.8%)で確認される。
NZは金融政策会合があるが、1QのCPIが年率2.5%と落ち着いた数字となり現状の7.5%を維持すると見られている。

 「注目指標」

23(月)豪1QPPI
24(火)日 企業向けサービス物価指数、豪 1QCPI、ユーロ圏経常収支、米 消費者信頼感指数、リッチモンド連銀製造業指数、中古住宅販売件数
25(水)日 貿易統計、独 IFO景況指数、米 耐久財受注、新築住宅販売件数、米地区連銀経済報告 ベージュブック
26(木)NZ RBNZオフィシャルキャッシュレート、貿易収支、米 失業保険 、安倍首相訪米
27(金)日 雇用統計、家計調査、CPI、鉱工業生産、小売統計、日銀政策決定会合、展望リポート、住宅着工、米1QGDP、個人消費、日米首脳会談、

2.高金利特集「小額だがRBAの豪ドル売り介入の噂」

 RBAが19日に発表したRBA BULLETINによるとRBAは3月に市場においてネットで5億86百万ドルの豪ドル売りを行っている。これは外貨準備の調整などを目的とした取引で介入とは解釈されない。ただ量的には今年になってからの平均2億5千万ドルからは大きい。

現在オーストラリアの外貨準備は米ドル320億ドルだが3月は外貨準備が米ドル30億ドル増加しているのでRBAの活動があったのではないかとの憶測を呼んでいる。また2002年ー2004年にかけてRBAは豪ドルを50-60セントレベルで買っていたと考えられ、現在83セント超えで売って連邦予算黒字拡大に大きく寄与したと見られている。

3.為替と野球「シドニーと東京」

 シドニー市場と東京市場での取引の性格は異なる。シドニー市場はニューヨークのセンチメントや週末のニュースを素直に追随する市場である。東京の早出のディーラーがニューヨーク市場をチェックし早々にそれに従ってポジションを取る。その動きは1ー2時間続く。薄い市場でストップロスの注文も執行される為、値が飛ぶこともある。値が飛べばさらにそのセンチメントが増幅される。ただシドニーの時間帯でその動きは終わることも多い。それは東京の実需筋が参入してくるからだ。朝早くシドニー市場で動くのは銀行の若手ディーラーが多い。ニュースをチェックしてそのセンチメント通り動く人が多い。逆張りするようなことはない。

 東京市場が始まる9時以降は、その動きが一変することも多い。東京の実需筋が参加するからだが、実需筋はセンチメントより採算重視で動く。輸出は上がれば売るし、輸入は下がれば買う。下がって慌てて輸出が売ったり、上がって慌てて輸入が買うことはない。保守的だ。

また我慢すれば戻って来ると考えているし、歴史的にも最近数年は我慢すれば戻る相場になっている。シドニー市場では進取の精神で突っ込み売り、追っかけ買いをする人が多いが、東京が始まれば押し目買い、戻り売りの実需保守相場となる、。デイトレもシドニーの雰囲気を引きずらないようにしたい。特に東京市場では午前10時にこぞってドルを買う仲値の祭典がある。

2007年04月29日

ゆっくり円安

今週の重要イベント「ゆっくり円安」

4月30日(月)-5月4日(金)「今週の戦略」

今週の私の戦略(ゆっくり円安)

予想レンジ(ドル円118-121、ユーロ円161.50-164.50)


1.今週のマーケット「目立たない国へ」
速報=中国預金準備率11%へ、今年4回目の引き上げ

 ドル円は3月は一目の雲の下にいたが、4月6日以降は雲の上に出て、その雲の上限である118円70銭に執拗に絡みまた浮上してきた。円安の流れは変わっていない。他の通貨がほぼドル安推移しているので異質といえば異質だが、これが2000年から7年以上続き8年目に入っていることを考えれば自然な動きなのだろう。日本が80年代の異質にすばらしい国から普通の国、また中国の台頭で少し目立たない国へ変わりつつあることを表しているのだろう。

米国の減速は1QGDPが1.3%へ低下したことで誰もが疑うことの無い事実。日本も物価が低下し、株価も他国に比べ伸び悩み。一方ユーロ圏は加熱ではないが底堅いので、ドル安ユーロ高円安が継続。今週は米国はバーナンキ議長の講演、雇用統計、ISM指数がある。RBAは金融政策を変えない見込みとなっている。ASEAN+3財務相会議もあるが外交するたびに日本の役割が低下していると感じてしまうこの頃だ。

 減速の米国GDP、過熱 の中国のGDPは既に発表されたが、やや減速すると見られる日本やドイツのGDPの発表は5月半ばとなる。その織込みは連休明けからで良いだろう。それまではゆっくりと円安が進もう。 

 「注目指標」

30(月)NZ住宅件建設許可、ユーロ圏 消費者信頼感指数、CPI、米 個人所得支出、PCEデフレーター、シカゴ購買部協会景気指数、建設支出
1(火)米 ISM非製造業、バーナンキ議長講演、
2(水)RBA政策金利、独&ユーロ圏 失業率、製造業PMI、独 小売売上、米 製造業受注
3(木)ユーロ圏 PPI、米 ISM非製造業指数、
4(金)ASEAN+3財務相会議、独&ユーロ圏サービス業PMI、ユーロ圏 小売売上、米 雇用統計、NY連銀総裁講演

2.高金利特集「高金利の軸は中国」

 中国の金利は低い。3%程度だ。輸出大国で貯蓄率の高い日本と同様、金利は低い。ただその中国がオセアニアなどの高金利通貨を左右する。

先週はオーストラリアの物価指標の低下と輸出業者の豪ドル高の不満表明、通貨高や円キャリー取引への言及があったNZ円や南アランド円は若干伸びが抑えられた。昨夏以来の中国の投資抑制策と80ドルから50ドルまで原油価格が下落したことがオセアニア両国の物価沈静に役立っているのだろう。インフレ懸念が落ち着いたことが、ユーロ円の上昇に比べオセアニア円が一服している理由だろう。ただそれは第一四半期の話であって、中国の経済は既に今年の目標の8%成長を超える11.1%の成長を第一四半期半は成し遂げている。
 
 また原油価格が再び60ドルを超え騰勢を強めていることもあり、中国がオセアニア両国に鉱物資源、農産物資源を求めるだろう。BRICs、VISTAと新興成長国の勢いは少々のブレはあっても趨勢的には上昇基調を変えることはない。オセアニア景気も回復すれば、為替もジリ高となろう。景気さえよければ為替の自国通貨高は問題にならない。昨年春頃はユーロ円が140円台だったが、欧州当局からユーロ高の批判が相次いだ。ただ160円台になった現在はユーロ高批判はなりを潜め、ユーロ高は問題ないという高官まで出てきた。当局や高官の相場に対する発言に一貫性がないことは今に始まったことではないが、景気さえ良ければ為替の重要度は低下していくのだろう。ユーロドルやユーロ円は史上最高値といわれるが、マルク換算では1.43台、82円台ということ。この数字は80年代、90年代に為替をやっていたものにとっては違和感はない。為政者も同じような世代なので違和感は無いはずだ。

3.為替と野球「配給を読んで、為替を読んで」

 野球と為替の読みは似ている。バッテリーがバッターがどのボールを狙っているか、野手はどこにボールが飛んできそうかを勘やデーターで読む。バッターは配給を読む。めまぐるしく動く為替のデイトレードのようなところがある。野球だけに限らず、他のスポーツにもいろいろな読みがある。将棋や麻雀などにも読みがある。勝負事が強い人は相場にも強いと思う。一方長期見通しは、野球でどの球団が優勝
するかどうか予想するのがプロの解説者でも難しいように、為替でも難しい。今年においても横浜ベイスターズや楽天の好調さ、昨年日本一の日本ハムの低迷を予想する解説者はいなかったように思う。より近いことを予想することは簡単なので先ずはデイトレで儲けて、少しずつ長期予想をすればいいと思う。ただデイトレの積み重ねやスワップの積み重ねのほうが長期的ポジションより確実な収益となることが多いように思う。